①Glassパッケージ技術が話題となり、まとまった情報が必要に
ガラスは優れた耐熱性と耐薬品性、高い透明性と非常に滑らかな表面、寸法安定性を有し、すでに多くの工業製品に使用されている。
歴史的には、紀元前25世紀ぐらいから工芸品、装飾品として、また紀元1世紀には容器として使われているそうだが、天然のガラス(黒曜石など)の活用は、さらにそれ以前となる。
電子製品のガラスとしてはX線発生菅、電球やトランジスタなどに使われ、電子機器用途のガラス基板としてはLCD(1968年ごろから), 電卓用基板(1973年)、EL素子などから始まり、また表示用素子では大量にガラス基板が使われているのは承知のとおりである。
表示用素子LCD, OLEDでは、大判パネルが使われ、大型装置による量産がなされているので、ハンドリングや梱包材を含めた関連材料、関連設備も充実し、旧世代LCD工場を有効利用すれば、シリコンと同等の熱膨張率をもつガラス基板を用いて、容易にGlassパッケージ実現が可能とも思われているため、液晶工場の実装工程への転換も始まっている。
これまでに、ガラス基板はRF用受動素子、MEMS電子部品、フォトニクス分野、アンテナ、メディカル用途などで、すでに実用化段階ないしは一部実用化されている(表1)。
最近は米国大手半導体メーカーなどが、その活用をHPCやAi用途に提案、アナウンスしているため、実装学会でもGlass PKGセッションは人が多く集まり、話題となっている。
しかし、ガラスPKGは表示用素子とは異なり、両面メタル配線ガラスコア、High AR(アスペクト比)TGV、小径ビア形成、両面再配線層RDLも必要になる。
ガラスPKGに関するまとまった本などは、今もまだなく、故・傳田精一先生の著書『半導体の高次元化技術 貫通電極による3D/2.5D/2.1D実装』(東京電機大学出版局, 2015)の中で、2011‐2014年ごろの初期Glass PKGについて「第7章 新インターポーザと2.1Dデバイス」中の「7.3 ガラスインターポーザの登場」にて紹介されている。
また2014年2月に、EPTA(エレクトロニクス実装技術研究会)とNJF(長野実装フォーラム)が開催した、第2回EPTA公開セミナー『2.5D実装を支えるガラスインターポーザ技術』の中で、故・傳田先生の著書の内容が紹介されて以降は、2024年JIEPエレクトロニクス実装学会ICEP(International Conference on Electronics Packaging)2024国際会議@富山での、Glass PKGセッションまで、ガラスPKGに注目したまとまったものは日本ではほとんど開催されていない。
表2に、Rao Tummala先生が以前から示されている有名な、ガラス素材の比較表を示す。米国では、アトランタのジョ−ジア工科大学でRao Tummala先生が開催したGlass PKGワークショップ2023年が、Glass PKGに関する、最近開催された最も情報が集約された公開研究会である(写真1)。
表3は、故・傳田先生が2015年に示された、ガラスインターポーザの特徴である。Glass PKGに関する学会などでの個々の論文発表は、2010年のジョ−ジア工科大学のガラスインターポーザ(図1)を筆頭にしてECTCなどの学会で、多く発表されている。ガラス対応の日本の材料、欧米・台湾の工程設備などが注目を浴びて、活況な状況でもある。
- 会社名
- Grand Joint Technology Ltd
- 所在地
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