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テクニカルレポート
2014.05.28
技術革新と独自のサーボ制御技術により生まれた新しいモータ制御技術
発熱を抑え、人間が「つかむ」と同等の力加減を実現
株式会社 ハイピーテック

ST-SERVOを採用したアプリケーション例などについてお聞かせ下さい

写真2 微細ねじ締め用電動ドライバ『CT47シリーズ』

  池野:まずは、ロボットハンドへの応用を進めています。実際に、ロボットハンドのデモ機をつくってお客様に提案していったところ、ロボットハンドメーカー数社から検討したいという返事を頂いています。
  また、押し当て/微妙な力加減制御といったところから、スマートフォンに使用するカバーガラスのエッジ研磨に使用する装置への応用を進めています。最近では、インセル/オンセルといった技術により、液晶そのものが段々と薄くなり割れやすくなっている状況なので、割れにくくするためにガラスにクラックが入らないように研磨するという手段が有効になります。現在、ある装置メーカーと共同でこの案件に対応するガラス研磨装置の開発に着手しています。
  さらに、微細ねじ締め用の電動ドライバにも応用しています(写真2)。これは、経済産業省・関東経済産業局の推進する「新連携支援(新連携)」の認定を受けて行った事業で、先日開催された「中小企業総合展 JISMEE2012」や「ロボットイノベーション2012」に展示し、多くの来場者から注目された製品です。市販の電動ドライバは、サーボモータや低コストのブラシレスモータなどが使われていますが、ステッピングモータを採用した製品は、当社が始めてだと思います(図2)。高精度トルク管理システムにより、微細ねじの最適締め付けトルクを実現します。主な特徴としては、①ねじ締め付けはトルク勾配法を採用、②ねじ締め時の速度可変が自由に設定可能、③締め付けトルクのばらつきは±3%以内、④ねじ吸着方式を採用し、ロボットへの搭載が可能、⑤締め付けトルクの履歴管理が可能、などが挙げられます。

図2 『CT47シリーズ』の製品構成図

  現在、来年の販売を目指して実証実験の準備を進めており、実際にねじ締めロボットも当社で開発し、また私が代表を務めているグループ会社の株式会社バンガードシステムズの技術も応用したトータルソリューションで進めています。このように、人間が当たりまえにやるような力加減が低コストでできるようになったということがST-SERVOの大きな一つの特徴ですが、様々なアプリケーションに取り組む過程で「もうちょっとこういった機能がほしい、ここはこうしたい」といった技術的な要素が分かってきて、さらに幅広いシーンで活用してもらえると考えています。

 

 

会社名
株式会社 ハイピーテック
所在地
埼玉県所沢市