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テクニカルレポート
2014.05.28
技術革新と独自のサーボ制御技術により生まれた新しいモータ制御技術
発熱を抑え、人間が「つかむ」と同等の力加減を実現
株式会社 ハイピーテック

御社の現在注力している技術についてお聞かせ下さい  

  池野:私共の業界は非常に競争が激しく、大手メーカーと同じ土俵では勝負していくことが難しい状況です。何か特徴をもたないと、お客様にも受け入れてもらえません。当社は、サーボモータが得意だったのですがその後ステッピングモータにも進出していき、それからサーボモータとステッピングモータの中間となる新しいジャンルの融合制御領域に注目していきました(図1)。

図1 当社のモータドライバ制御技術別製品マップ

  サーボモータを使っているお客様に「もっとローコストにしたい」というニーズがありながら、「ステッピングモータだと制御的に問題がある」ということから、サーボモータを使っていたお客様がサーボモータとステッピングモータの中間の領域で使えるようにするため、2相クローズドループステッピングモータシステム『ST-SERVO(エスティーサーボ)』という製品を開発しました(写真1)。この製品は、サーボドライバとコントローラが一体化しており、さらにモータまで一体化したものを現在開発中です。
市場では、台湾/韓国/中国などの新興市場に装置関連も侵食されて競争が厳しくなり、お客様の方でも大手メーカーから製品を購入しているだけではコストダウンが図れないため、新しいジャンルとなる融合制御の領域に目を向け始めるといったニーズが興ってきました。当社としても、この融合制御は非常に難しい領域でしたが、「CPU演算能力の向上」「ソフトウエアによる電流制御」「モータメーカとのコラボレーション」「MEMS技術による低価格エンコーダ」といった技術革新と、当社の長年にわたるサーボモータ制御の蓄積により新しいコア技術を誕生させ、この領域の製品開発を実現しました。
  今回開発したST-SERVOは、サーボモータやステッピングモータで可能だった機能ができるだけでなく、サーボモータやステッピングモータでできなかった機能、もちろんウィークポイントもありますが、新しいアプリケーションや新しい機能が生まれています。この製品の基本構成は、ステッピングモータ/光学式エンコーダ/クローズドループACサーボ制御/ベクトル演算といった自社の技術を活かした構成により、位置制御/速度制御、それからステッピングモータの機能に今までなかった性能として、押し当て/微妙な力加減の制御/低振動静音/省エネ低発熱といったことが得られるようになりました。その中でも発熱が少ないということが大きな特徴の一つになっており、発熱が少ないと余分な電力を消費せず効率よく省エネに貢献できるので、そういうところでお客様に関心をもって頂いています。それから、瞬時トルクが定格トルクの1.5倍というところも大きな魅力になっています。
シリーズとしては、BSL/NT/CMBの3機種をラインアップし、サンプル出荷は開始していますが、量産化は来年3月を目標に進めています。また、この製品はデバイスなのですが、なかなかお客様のイメージではアプリケーションを想像されてしまうようなので、そのようなことから当社としてもアプリケーションにも力を入れている状況です。

 

 

 

会社名
株式会社 ハイピーテック
所在地
埼玉県所沢市