③Autonomous Factoryを実現するエッジ設備
当社ではAutonomous Factoryをキーワードに実装機、印刷機の新シリーズ「NPM Gシリーズ」を開発、販売を開始している。この新シリーズのエッジ設備は前項で述べたようにAutonomous Factory(APC-5M、無人化)を実現する機能を搭載している。ここでは新シリーズのスクリーン印刷機 : NPM-GP/Lを紹介する(図4)。
1.最適なコンディションを維持する
APC-5M : 設備監視機能
NPM-GP/LのAPC-5M:設備監視機能を紹介する。この機能によりメンテナンス不足による不良ロスの削減を図り、生産時間の最大化を実現している。機能の一例を紹介する。
<基板搬送状態監視>
基板搬送時の時間の変化をリアルタイムにモニタリングし、基板到着時間の変化を捉え、メンテナンスを促す。たとえば長期の生産の中で、乾いたはんだ粒子が搬送コンベアのベルト上に多数付着することがある。この場合、搬送ベルトは減速しているにも関わらず、基板は滑って減速しない。その結果、基板ストッパーに高速で当たり、跳ね返り、搬送エラーなどチョコ停が発生し、生産効率が悪化する。これを避けるため、APC-5M : 設備監視機能では、リアルタイムに搬送時間をモニタリングし、変化を捉え、搬送ベルトの清掃を促し、チョコ停をなくす。
他にも基板サイドクランパーの駆動時間、各サーボモータ軸の駆動距離、基板吸着時の真空到達時間、基板サイドクランパー上の異物付着、認識カメラの異物付着などリアルタイムでモニタリングし、チョコ停などの生産ロス、品質ロスを防ぎ、実装工程の効率化を実現している(図5)。
2.材料の変化を捉え、自律的に変化に対応する
APC-5M : 材料監視機能
スクリーン印刷機では、はんだペースト、スクリーンマスクなど材料が印刷品質に大きく影響する。スクリーン印刷機の品質に関わる特性要因図を図6に示す。
NPM-GP/Lでは、印刷品質に大きく影響する、はんだ粘度変化、マスクテンションの変化の見える化を実現した。それに加え、それらばらつきを自律的に抑制するAPC-5M : 材料監視機能をスクリーン印刷機に搭載した。
<はんだペースト粘度測定機能(写真1)>
NPM-GP/Lでは、スクリーン印刷機に初めて※1はんだペースト粘度測定機能を搭載した。
はんだペーストの粘度をトレースできることに加え、生産開始時の粘度を基準とし、生産中の粘度の変化をリアルタイムにモニタリングしている。粘度の変化が発生した場合、自律的にスクリーン印刷機内の温度を調節し、粘度の変化を抑制する。これにより品質の安定、維持を実現し、品質ロスを抑制している。
(※1 : 2023年1月販売開始時)
<スクリーンマスク テンション測定機能(写真2)>
NPM-GP/Lでは、スクリーン印刷機に初めて※2スクリーンマスクのテンションを測定できる機能を搭載、スクリーンマスクのテンションの変化をトレースすることができる。またテンションが弱くなったスクリーンマスクで印刷した場合、スクリーンマスクが基板に貼りつき、マスク中央部の印刷品質悪化につながる。これを避けるため、テンションがワーニング領域まで弱くなった場合、自律的にスクリーンマスクを基板サイドクランパーにより吸着し、そのまま版離れを実施することで、スクリーンマスクの基板への貼り付きを防止、これにより品質の安定・維持を実現し、品質ロスを抑制する。
(※2 : 2023年1月販売開始時)
<APC-5M体積フィードバック>
当社のスクリーン印刷機では、過去から、はんだ印刷検査機の検査結果と連動し、「自動で印刷位置を補正するフィードバック機能/APC-F.B.」を提供してきた。NPM-GP/Lではこれに加え、はんだペーストの体積が常に最適な体積になるようフィードバックする機能を搭載した(図7)。
たとえば、はんだ印刷検査機の測定結果において体積が少ないと判定された場合、自動で印刷時のスキージ アタック角度を小さくすることで充填力をアップし、はんだペーストの体積が増加するよう自律的に制御する。これにより、品質の安定・維持を実現し、品質ロスを抑制する。
- 会社名
- パナソニック コネクト(株)
- 所在地
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