3.Session2『日本の自然エネルギー:コスト−バリアと規制』
写真2 Session2での討議状況
Session2では、太陽光と風力におけるコストの傾向分析しながら、競争ではなく普及に焦点をあてたFIT設定ではコストが高止まりする可能性があるとして警鐘を鳴らした(写真2)。スペインからの登壇者は、FIT制度導入で進展した再生可能エネルギーの普及の現状を紹介するとともに、技術別の課題を紹介した。
Session1と2の共同議論では、日本特有の資源立地、地形、事業規模の小さいなどの要因で日本の風力発電はコスト高となっていることを指摘し、規制のバリアをなくした事業環境の整備が必要であることを指摘。さらに、情報の透明性や研究機関のサポートなどの不足、様々な工夫で多様なビジネスモデルの促進の重要性が再生可能エネルギーのコストを下げることに繋がることも指摘した。
4.Session3『電力システム改革−各国の事例と日本が学ぶこと』
Session3では、日本の電力システム改革の現状を踏まえた上で、各国の事例から日本が学ぶべき知見についての議論した。スウェーデンでは電力システム全体の効率化と安定化が進んでおり、消費者に利益がもたらされ、また電力システム改革にも多くの成果がもたらされた、ということ紹介された。ドイツでも再生可能エネルギーを導入するには発送電分離が不可欠であるとしており、日本においても電力システム改革こそが成長戦略の「要」となる、との見解が示された。
5.Session4『自然エネルギーの将来、エネルギーの将来』
Session4では、世界市場の中長期の展望を述べるとともに、世界自然エネルギー未来白書の著者が完成したばかりの『Renewables Global Futures Report2013』の白書2)の内容を紹介しながら、今後、世界的に再生可能エネルギーへ向かっていくという方向性を示し、これについての議論がなされた。
そして最後に基調講演と4つのセッションに関して各発表者のポイントを総括し、閉会の挨拶となった。
<参考資料>
1)http://jref.or.jp/activities/events_20130226.php
2)http://www.isep.or.jp/wp-content/uploads/2013/01/REN21_GFR_2013_print.pdf
- 会社名
- 特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部
- 所在地
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