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テクニカルレポート
2014.05.21
国際シンポジウム「Revision 2013 ? 新しい自然エネルギーの未来を創造する」参加報告
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部

2.Session1『日本の状況−FIT以前と以降』

 Session1では、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、地熱発電の4分野からの発表があった。
太陽光発電の日本市場は、どちらかといえば、これまでは住宅向け中心であったが、FIT以降、大規模なプロジェクトが増加しており、特に北海道、九州などでメガソーラーが普及している。3割は輸入モジュールであるという。どこにも設置できる、というメリットがあるものの、農地へ設置するための規制緩和、系統問題の解決、標準化による低価格化を推進する必要があると訴えていた(図1)。FITの導入前は日本の風力発電に関しては政府の設備補助金がなくなったことで2012年の導入量はほぼ横ばいであった(図2)。さらに風力発電は環境アセスメント法の対象となったため、調査費用や事業期間の増加などによりコストの増加が起こっているとの指摘もあった。また、様々なバイオマスの計画が各地域で出ているものの、技術の蓄積が不十分で熱利用が重要な一方で、FITの価格設定そのものが熱電併給ではなく発電のみの事業を想定した価格となっている、という問題点の指摘もあった。最後には、地熱事業に関して国立公園問題や温泉業を営む人々の温泉の源泉の枯渇の懸念問題などを解決すれば、コストの障壁が改善され、40年など長期間であれば既存電源とも十分なコスト競争力があることを指摘した。しかし地熱の本格的な貢献は、2020年以降になるとの見通しであるという。地熱発電に関しては世界では進展しているものの、なぜか日本は停滞して足踏み状態となっている。日本の地熱資源は世界第3位であり、また今後も足踏みをする状況ではないことから、前述の課題を解決して前に進めていく必要がある。資源が日本にあるという点は重要である。 

図1 太陽光発電への参入企業の増加

 

図2 風力発電導入量(単年度容量/累積容量)

 

 

 

会社名
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部
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