2013年2月26日(火)に東京・イイノホールにおいて開催された、再生可能エネルギーに関する国際シンポジウム『Revision2013−新しい自然エネルギーの未来を創造する』(主催:公益財団法人 自然エネルギー財団)に参加したので、その概要について報告する。
このシンポジウムは、今、日本が直面している電力のエネルギー問題について各国の関係者を招聘しての自然エネルギー(再生可能エネルギー)に関して討議するというもので、2012年も開催された。
今年度はモデレータを含めて19名(海外10名)の講演者で実施され、『基調講演』と『4つセッション』という構成だった。4つのセッションは、『日本の状況−固定買取制度(FIT)以前と以降』『日本の自然エネルギー:コスト−バリアと規制』『電力システム改革−各国の事例と日本が学ぶこと』『自然エネルギーの将来、エネルギーの将来』で幅広い分野をカバーしたものとなっていた。主催者側の報告によると参加者は500名以上に及び、昨年と同様、熱気のあるシンポジウムとなった。
1.基調講演
再生可能エネルギーで先行している諸外国の先例に学び、日本のエネルギーシステムを変える必要性がある、ということをビデオメッセージで強く訴えたのが、自然エネルギー財団会長かつ設立者の孫正義氏であった。
それに続き、各国の主要な方からの基調講演があった(写真1)。主な内容は以下の通りである。
写真1-1 発表者全員
写真1-2 基調講演
電気自動車にはより軽く強固な素材を用い、建築物はパッシブ・デザインを主体として、生産設備も再デザインによりエネルギー効率の大幅なアップを見込むと同時に、再生可能エネルギーの普及で2050年までにエネルギー効率を3倍以上にして、4分の3以上のエネルギーを再生可能エネルギーで賄いつつ、経済規模を1.6倍にすると、石油や石炭、原子力利用をゼロにできるという。
日本は2012年7月の全量固定買取制度(FIT)の導入による太陽光発電の導入が大幅に増加しているが、再生可能エネルギーをさらに普及させるために、風力発電の容量の大型化と洋上風力の技術開発・実証事業、送電網やバックアップ電源、そして蓄電池の整備促進が必要であるという計画を示すと同時に、電力システム改革と再生可能エネルギー普及の密接なつながりを強調していた。ドイツではエネルギー大転換の柱として再生可能エネルギーを据えるという方針に変わりはなく、また、日本で誇張されて広まっている懸念と誤解を解く説明もあるなど、より一層のコスト削減と産業力強化の重要性が強調されていた。
- 会社名
- 特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部
- 所在地
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