3.大連国際工業博覧会
5月16日から18日までの3日間は、『2012中国大連輸出入商品交易会&大連国際工業博覧会』が、遼寧省大連市の大連世界博覧広場で行われ、当社も単独で出展してきた(写真7、8)。同展示会は、昨年、行政主催ブースに間借りする形で出展したが、今年は事実上の本格的な市場参入するために単独での出展を行った。
写真7 2012中国大連輸出入商品交易会&大連国際工業博覧会
写真8 当社ブース
中国では過去の市場調査から、上海を中心とした華東エリアが産業技術レベルが高く、はんだこて先や改善に対する要望も高いことを確認している。そして華南エリアは、産業技術レベルは華東エリアより若干劣るものの、市場の活気や課題への取り組み姿勢では華東エリアよりも高く、その勢いが産業技術レベルも底上げしてきていると感じているところである。
東南アジア(本来は一括りにできないほど格差があるが)の産業技術レベルは、中国よりも数段劣る、と判断しており、中国並みに発展するのは3年ほど後になると思っている。この最大の起因は、諸各国の産業領域における中小企業の発達度に比例しており、技術力の高い中小企業の存在がなければ、国の産業自体が発展できないことに直結しているとお考えいただきたい。日本製品に信頼性が高く、実際に品質がいいのは、日本の中小企業の技術力がどこよりも高いからに間違いない。
少々話がそれたが、華北エリアで産業展示会を行い、その後に企業アプローチをした印象では、同エリアは産業技術力が未成熟の状態で、産業自体が成熟しきってしまった印象を強く受けた。傾向としてはタイに近い状態である。ただ、産業基盤となる中小企業の発展度合いは高く、これが産業そのものを支えているとも感じている。正しい情報を入手し、さらなる高みを求めさえすれば大きく発展する企業も少なくないと思う。
実際に当社の展示ブースに立ち寄られたお客様の多くが、目新しい製品に遭遇したかのような反応を見せてくれた。これまで華北エリアには、当社のような高品質なはんだこて先が流通してなかったので、現存製品の中で最高の作業水準を構築してきたことが理解できる。展示会後に、当社には相談案件やサンプルを求めるアプローチが多くあるので、順番に対処しながら同エリアの産業発展にも貢献したいと考えている。
ただ華北エリアに関して残念に思うことは、先にも述べたが『正しい情報の入手ルート』が整備されていないことにつきる。その原因としては、華東や華南エリアのような大規模な産業展示会が開催されてないため、現場の作業者に高品質という視点の気付きが生まれにくいのだと考えられる。高水準の産業製品を生み出したいのであれば、大規模な産業展示会の誘致活動や、逆に華東エリアや華南エリアの展示会などに足を運ぶなどの企業努力が必要なのかもしれない。
- 会社名
- セラコート工業(株)
- 所在地
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