③自動クリーニング機能
リワーク工程において、いまだに完全な自動化が図れていない作業が残留はんだのクリーニング作業である。自動機能が100%うまく稼働する基板もあるが、すべての基板に通じるわけではなく、あらゆるリワークメーカーが日々研究努力を重ねている。
“スキルレスリワーク“をリードする当社が目指す残留はんだの自動クリーニングは、「簡単設定」「安心品質」「補足作業ゼロ」の仕上がりであり、ここでは
1. 作業範囲設定
2. 作業温度設定
3.クリーニング方式
について記述する。
1.作業範囲設定
クリーニングするエリアの対角座標をセットするだけで、作業を完了するために必要な、
● クリーニングノズルの走行距離(吸い取り残留はんだ容量)
● クリーニングノズルの稼働ルート(軌道座標)
が自動算出され設定される。また、クリーニング範囲をカメラがスキャンし、チップ実装箇所などノズルをあてたくない範囲を回避するプログラムも現在開発中であり2024年春には順次提供できる予定である(図2)。
2.作業温度設定
従来の自動クリーニング機能は、作業者がクリーニング作業用の温度設定を行う必要があったが、新たに提供する新機能ではリワーク時のオートプロファイルの温度データを自動的に共有し設定されるため、作業者の感覚にたよったり、他データを参照して設定入力をする必要がなくなるため、作業は省力化・標準化され、基板への負荷もかからない仕組みとなる。
3.クリーニング方式
当社のクリーニング方式は、残留はんだ吸い取りノズルを基板に非接触または極柔接触させながら吸い取り作業を進めていく方式である。ノズルと基板の間の吸気口は一定のクリアランスを確保でき、反りをはじめとする実装後の凸凹基板であっても安定した吸引力(量)によるクリーニング作業が持続できるため、あらゆる実装後基板に対応できるようになる。
なお、基本的には非接触方式で作業を進めることになるが基板の状態によっては極柔接触方式を選択できるシステムになっており、その場合、基板へのダメージ(パターン剥離など)を危惧する声も聞こえてくるが、当社の方式は、ノズル接触面の素材と形状に長年研究・実験を重ね、拘りぬいた樹脂と特殊穴あき丸型形状で、優れた吸引力を発揮しつつ基板に対し極柔なタッチで進むロードレス機構(荷重50g程度)になっており、問題がないことは1000回を超える実験で実証済みである(図3)。
④検査装置との連結によるリワークの省力ライン化
リワーク工程は、一般的に生産実装ラインから分断されており、検査工程でNG判定された実装基板は実装ラインとは異なる作業場に集められ、一枚一枚、専業的に作業が進められている。工程が分断されていることで、検査装置で検出したNG判定部品の情報がリワーク作業に活かされることはなく、リワーク工程では再びリワーク対象部品を目視で確認することからスタートしている。そこで、当社がスキルレスなリワーク装置の開発と併せて取り組んできたテーマがリワーク工程と実装ラインの連結である。検査装置で検出したNG判定部品の情報のうちリワーク作業に必要なデータ(座標/画像/部品コード/ロット番号など)をリワーク装置に転送し、リワーク装置は転送データを読み取ることで、ワンストップでリワーク作業を開始できるようになる。検査装置に搭載されている高精度な光学システムで検出した位置データや画像を活用してリワーク作業をスタートできるため、作業者の目視による判断や設定を大幅に減らすことができ、リワーク精度は著しく向上し、工数は激減する。また、リワーク後の基板はリワークデータを検査装置へフィードバックしリワーク後の基板を再検査するため、初回検査から修正作業、最終検査までの情報を一元管理し製品出荷後の品質が担保される仕組みとなる。(株)日立技研製 目視検査支援装置「Neoview」との連結開発は2023年3月に完了。2023年12月に提供開始予定(図4)。また現在、外観検査装置との連結開発も進行中である。
さらに、前述で触れた、データセンター向けサーバを中心に増え続ける高密度実装大型基板においては特に目視でリワーク対象部品を確認する作業は非効率である。しかも、作業者が一人でリワーク装置に設置することが困難な、高価値大型部品が高密度実装されている大重量基板も増えているため、安全性確保の観点からも搬送系設備を使用してライン化することが好ましく、当社では業界に先駆けて積極的に取り組んでいる(図5)。
- 会社名
- メイショウ(株)
- 所在地
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