④ストレスの測定方法
ひずみゲージにより基板や部品に発生するストレスを直接測定する。
4-1.ひずみとは
材料に引張力(または圧縮力)Pが加わると、これに対する応力σが材料内部に発生する。この応力に比例した引張ひずみ(圧縮ひずみ)が発生し、長さLの材料は、L+ΔL(またはL-ΔL)に変形する。このときのLとΔLの割合をひずみと言う(図1参照)。
4-2. ひずみゲージとは
金属(抵抗体)は外力を加えて伸縮させると、ある範囲でその抵抗値も増減する。したがって、ひずみが生じる測定対象物に電気絶縁物を介して接着しておけば、測定対象物の伸縮に比例して金属(抵抗体)が伸縮し抵抗値が変化する。ひずみゲージはこの抵抗変化によりひずみを測定するセンサである(図2)。
4-3 .測定方法
測定対象物にひずみゲージを接着剤で直接貼り付け、専用の測定器で測定する。写真1は基板にひずみゲージを貼り付けた施工例である。
図3は専用の測定器で測定した基板分割時のひずみ測定結果である。
⑤測定における注意点
5-1.ひずみゲージの種類
(1)大きさ
測定対象場所により、ひずみゲージの大きさを選択する。たとえば0603のチップコンデンサに加わるストレスを測定する場合は、写真2のように部品形状に近い極小のひずみゲージを使用する。一方で、基板の全体的な反り具合を測定する場合は、面全体のストレスを測定するため写真3のように大きめのひずみゲージを使用する。
(2)自己温度補償
測定対象物により、自己温度補償(対象物に発生する外的変化量ではなく、温度による変化量をキャンセルする)の種類を選択する必要がある。たとえばFR-4のリジット基板を測定する場合は、基板の線膨張係数は11〜17×10−6ひずみ/℃と言われており、それをキャンセルできる自己温度補償機能をもったひずみゲージを使用する。ただし、基板分割時の測定のように温度変化のない環境下で、かつ短時間で済む場合は自己温度補償の機能を有する必要はない。
(3) 解析方法
外的ストレスの方向が決まっている場合は単軸、方向が決まっていない場合は写真4の3軸ゲージを使用する。3軸(0°,45°,90°)のひずみ量からロゼット解析により主応力の方向(最大のひずみ量が発生する角度・方向)が算出できる(図4)。
5-2. 現象を捉える
測定対象物が徐々に変化することがわかっており、長期的な時間軸で測定する場合は、データロガー(静ひずみ測定器、写真5)を使用し、短時間で衝撃を含んだ事象を測定する場合はマルチレコーダ(動ひずみ測定器、写真6)を使用する。
- 会社名
- (株)東京測器研究所
- 所在地
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