電源ラインの実装設計
1.プリントパターンに生じる誘導起電力を抑える設計例
①インダクタンスL1[H]のプリントパターンを伝播する電流が時間t[s]にi[A]変化するとプリントパ ターンの両端には
│V│=L1dI/dtの電圧が発生する。
②IC側デカップリング用コンデンサとIC間のプリントパターンを幅2mm、長さ100mmとすると、L1 ≒100nHとなる。
ここに30mAの電流が2ns間流れると、│V│≒1.5Vの電圧が発生する。
次にプリントパターンを幅2mmのままで長さ5mmに短縮すると、L1≒5nHに低減し、
│V│≒0.08Vと抑えられる。
2.IC周辺に生じる誘導起電力を抑える設計例
図3 IC周辺のプリントパターンに流れる電流と出力電圧変動の例
①ICには高周波成分をもった、ICの等価内部容量/負荷容量を充放電する電流が流れる。この電流がIC周辺プリントパターンに流れて誘導起電力を発生させ、スパイクノイズ電圧となる。
②このスパイクノイズ電圧が、電源電圧変動に結びつく。
③このスパイクノイズ電圧を小さくするために、デカップリング用コンデンサとICを結ぶ電源パターンや グランドパターンは太く短く描いてインダクタン スを小さくすることが重要である。
④図3に、IC周辺プリントパターンに流れる電流と出力電圧変動の例を示す。
デカップリング用コンデンサの要求性能と品種選定と実装配置
図4 IC側デカップリング用コンデンサの実装配置
1.電源側デカップリング用コンデンサの要求性能と品種選定
電源側デカップリング用コンデンサは低電圧、高容量、低ESRのコンデンサが要求される。表1に要求性能と品種選定を示す。
2.IC側デカップリング用コンデンサの要求性能と品種選定
IC側デカップリング用コンデンサは低電圧、高容量、低ESRのコンデンサが要求される。表2に要求性能と品種選定を示す。
3.IC側デカップリング用コンデンサの実装配置
図4に IC側デカップリング用コンデンサの実装配置を示す。
コンデンサの電極端子は、ICのVCCピンとGND(グランド)ピンのできるだけ直近に配置し、しかもコンデンサとIC間にできるVCC-GNDループが最小となるように配線は最短にする考慮が必要となる。
表1 電源側デカップリング用コンデンサの要求性能と品種選定
表2 IC側デカップリング用コンデンサの要求性能と品種選定
- 会社名
- (有)イー・コンポーネンツ
- 所在地
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