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スペシャルインタビュー
2022.06.20
長寿命/高トルク化を目指した超音波モータ
〜ロボットアームを含めた自律移動型ロボットにも展開〜
株式会社 Piezo Sonic
代表取締役 多田 興平 氏

■御社製品の特徴やラインアップについてお聞かせください

 

多田 : 先程、超音波モータは摩擦で動くとお話しましたが、そのため従来のDCモータなどと比べて、素材の摩耗に起因して寿命が短いと思われていました。それにより、工業用途では限られた条件下で利用されていました。しかし、当社では長年の研究成果からどういう部分を強化すべきだとか、どういう部分の材料をどのように変更すべきなのかということに知見や経験があります。

それが当社の強みであり、新しい製品ラインアップである『PSM60シリーズ』にも採用することで、従来製品に比べて寿命が2倍以上となる約3000時間以上の保証値になっており、また寿命だけでなくトルクについてもさらに20%以上向上することに成功しています。加えて、サイズ、重量についても15%以上、小型化しました。

そうした成果が評価され、『PSM60シリーズ』は2018年度の精密工学会「ものづくり賞」に受賞しています。また、大田区産業振興協会が推進する大田区ビジネスプランコンテストにおいても、協賛されている城南信用金庫から賞を賜りました。ただ、これはあくまで現状の実験結果によるもので、実際はさらに寿命が延びる可能性を秘めており、引き続き協力メーカーと共同で実験を行っています。

この『PSM60シリーズ』には、一般環境用と磁場環境用の2つのタイプがあり、MRI内で利用される搬送装置や半導体製造装置で利用される高精度位置決めステージなどの位置決め装置用モータなどに適しています(写真2)。また、装置を小型化したいというニーズ向けに、もう少し径を小さくした『PSM40シリーズ』も開発しており、現状は受注生産品の段階ですが今後は主力製品にしていきたいと考えています(写真3)。

写真2 『PSM60シリーズ』のラインアップ

写真3 小型タイプの『PSM40シリーズ』

 

さらに、モータを動かすドライバ製品も、アナログコントロールタイプやアナログ/デジタルの両方をコントロールできるタイプをラインアップし、超音波モータとセットで提供しています(写真4)。

写真4 ドライバのラインアップ

 

それから、当社事業のもう1つの柱となる超音波モータを応用した自律移動ロボットについても、色々と展開しています。最近では、大田区の助成金事業として、歩道を走行する自律走行モビリティの開発を行っています(写真5)。これは、大田区の幅の狭い道や未舗装の道でも目的地に到達することができるようにするため、月面探査ロボットのノウハウを応用した市街地走行に適した自律走行モビリティの開発プロジェクトで、今年の3月に第一期目が終了しています。

この成果を活かし、今度は北海道の企業と共同で、農業支援ロボットの開発プロジェクトをスタートさせる所です。

写真5 自律走行モビリティ

 

■今後の展開についてお聞かせください

 

多田 : 超音波モータについては、さらにライアップの拡充を図っていきたいと考えています。現状では、中空タイプなど、お客様からの要望が強い製品の完成を急ぎ、順次ラインアップに追加していきます。

それから、ただ単にラインアップを増やすだけでなく、「どう使えるか」ということにもスポットを当て、モータといった部材のレベルではなく、ギヤユニットやモータユニットなど装置として提供することが重要だと考えています。それにより、超音波モータ事業とロボット事業がさらにリンクしていくと思うので、それを実現するために当社だけでなく、協力メーカーも含めた体制づくりを強化していきます。

あとは、当社の知名度をさらにアップさせるため、展示会などの出展も増やしていく予定です。

 

本日はお忙しい中、ありがとうございました。

会社名
株式会社 Piezo Sonic
所在地
東京都大田区(中央事業所)