■代表取締役に就任された現在の心境などについてお聞かせください
山田 : 私は3年前まで、今とはまったく違った業種のIT関連企業に勤務していたので、ねじに規格があることすら知らず、入社してからの2年間位は一から勉強することからのスタートでした。ただ、この会社は私の祖父がつくったので、ゆくゆくは引き継ぐことになるということは思っており、その心づもりはできていました。
そして2021年5月に、前任の父が会長に就任し、私が社長に就任したのですが、その頃は新型コロナウイルスが蔓延するさなかで、会社としても従来とは違った取り組みを進めるような状況でした。今までは、出社して仕事をするのが基本でしたが、一部の社員を交代で在宅勤務にするようになっていきました。また、当社が取り扱う製品のほとんどが輸入品なので、トラブルとして納期が通常の3、4倍掛かったり、為替の変動などもあり、私が社長に就任してからのこの1年は、会社的にゴタゴタの多い1年だったように感じています。
そのため、社長としての仕事というよりは、どちらかというとマネージメント的な仕事にかなりリソースを割かれていたのが現状でした。ただ、運良く父が会長としてまだ近くにいるので、早いうちに色々と教えてもらえることを吸収していきたいと思っています。
そのような中で、最近では当社ショールームの移転に伴うリニューアルや新製品の取り扱いなど、このコロナ禍においてどちらかというと守りに転じていたビジネスを、少しずつ攻めの方向に流れを向けていく取り組みを進めています。
■では、リニューアルされたショールームについて概要などお聞かせください
山田 : 以前は、新交通ゆりかもめのテレコムセンター駅近くに「お台場サテライト・ショールーム」を設置していましたが、東京ビッグサイトの最寄り駅である東京ビッグサイト駅のすぐ近くにあるTFTビルに移転し、「有明サテライト・ショールーム」として2021年9月にリニューアルオープンしています。
実は、ショールームを設置すると決めた当初、東京ビッグサイトで開催する展示会に来場される際に、ついでに立ち寄ってもらいたいと考え、今回の移転先であるTFTビルを候補に挙げていましたが、その当時は空いておらず、2駅離れたテレコムセンター駅近くにあるTFTビルの関連するビルに設置していました。しかし、2021年5月にそのTFTビルが空いているという情報を聞き、内覧してすぐに移転することを決めました。
移転した理由としては、やはり集客率を上げることがポイントになっています。2駅離れているだけですが、途中下車をして来ていただく手間や歩くにも距離が少しあるので、展示会に来たついでに立ち寄っていただくということは、少し難しかったように感じています。今回の移転により、展示会場から徒歩3分ほどになったので、気軽に立ち寄っていただけると思います。
また、今回リニューアルオープンした「有明サテライト・ショールーム」は、大きな特徴が2つほどあります。1つは、以前と比べて展示スペースが約1.5倍広くなっており、そのため展示製品数も約2500点から約3000点に増えています。
展示スペースは以前と同じように、お客様が当社の取り扱っている製品を、「見て」、「触って」、「比べて」、「確かめて」を体感していただけるようなコンセプトで設計しています(写真1)。見た目には数百点の展示になっていますが、展示台の下の引き出しには形状/材質/サイズ違いなどの製品が収納されています(写真2)。また、引き出しには番号ラベルが貼られており、どの引き出しに何の製品が収納されているかをすべて管理することで、お客様が求められている製品を直ちに提案できるようになっています。
さらに、コロナワクチンの開発で使用させるようなバイオ関連の配管部品、半導体/スーパーコンピュータで使用させるような水冷用の配管部品など、少し特殊な分野に特化した製品の展示や、当社オリジナル製品も少しずつ増えてきたので専用の展示スペースを設けたりしています。あとは、チューブメーカーとタイアップした展示も始めるなど、以前と比べて展示内容もパワーアップしています。
そして、もう1つの大きな特徴としては、ショールーム内で開催するイベントの充実化になります。現状では、週ごとにテーマを設けて、そのテーマに合わせた製品を中心に、採用事例などを交えながらショールーム内を案内する「特集ツアー」と、配管部品の選定時に役立つ情報や、注目の新製品情報に関する「セミナー」を開催しています。
「セミナー」は、東京ビッグサイトで開催させる展示会などに沿った内容でスケジュールを組んでおり、お客様が足を運んでくださりやすいような工夫を行っています。スケジュールは、当社のホームページやメルマガなどでご案内しており、リアルだけでなく、一部YouTubeを使ったオンラインでも配信しています。
このような感じで、リニューアルオープンして1年間進めてきましたが、色々と見えてきたことがあるので、今後は少しやり方を変えていこうと考えています。
「特集ツアー」は、今まで週ごとにテーマを設けていましたが、少しテーマが多すぎたように思うので、「セミナー」と連動させたテーマで月ごとに変えていく流れで調整を行っています。「セミナー」についても、今まで30分ほどの時間で行っていましたが、時間を延長して1時間半ほどにしていきたいと考えています。
基本的に、お客様にはゆっくりとご覧になっていただくため、事前のご予約をお願いしていますが、当日のご連絡でも空いていればご案内することは可能になっています。
- 会社名
- サンワ・エンタープライズ株式会社
- 所在地
- さいたま市浦和区
-
真空リフロー、N2リフロー、エアリフローのことなら、エイテックテクトロン(株)にお任せください。フラックスレス真空リフロー装置販売開始!エイテックテクトロン株式会社
-
独自の加工技術とノウハウで様々な材料にチャレンジ 〜色々なアイデアを生み出して研究者をサポート〜 ムソー工業株式会社 代表取締役 尾針 徹治 氏Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社
-
話題のGlass PKG実装技術の動向 〜先端電子部品への応用と 最新のCuダイレクトめっきGWCについて〜 Grand Joint Technology Ltd 大西 哲也(T. Onishi)Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社