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スペシャルインタビュー
2022.01.15
発泡スチロールのメリットや 可能性を追求した事業展開
〜色々なアイデアを提案しながら幅広い業界に対応〜
第一フォーム株式会社
代表取締役 澁谷 正明 氏

そして、当社が使用する加工機は、すべてグループ会社であるテクノファースト株式会社が開発した製品で、その技術やノウハウは父や兄の今まで培われた経験が活かされています。この発泡スチロール加工の業界自体、それほど進んだ技術というのがあまりなく、どちらかというと他の加工業界と比べて遅れているようなイメージがあります。

例えば、現在の中国では、日本で20〜30年程前に行われていたような手法を行っているような状況です。具体的には、作業台に加工する線が貼ってあり、発泡スチロールの材料を人の力で押して加工するというやり方で行っています。そのため、作業者によっては加工むらなどが発生したり、大量生産するためには多くの作業者を確保する必要もあり、当時からあまり効率の良い手法とはいえませんでした。

そこで、いち早く父と兄は自動化に目を向け、すべて自動で行える加工機の開発を行いました。元々、この業界で使用されている加工機は、自社で設計されているケースがほとんどで、国内では特にメーカーなどはありませんでした。そのようなことから、他社からも自動で行える加工機が使いたいというニーズが多く寄せられ、販売用の加工機についても開発が行われました。

そして、開発された加工機はすべて自動で行えるため、作業者1人で数台を同時に動かすことも可能です(写真4)。当社では、現在10台の加工機を設置しており、この10台を2、3人の作業者で動かしています。また、この加工機は発泡スチロール用なので、機械自体の剛性がそれほど必要なく、構造もアルミを使用したシンプルなものになっています。私的には、プラモデルをつくるような感覚で捉えており、メンテナンスについても電気的なものであれば地元の電気業者で対応できるレベルで、ほとんどこちらから出張せずに解決することができます。

写真4 発泡スチロール用加工機の外観

 

■加工の種類についてもお聞かせ下さい

 

澁谷 : 基本的に当社では、熱線によるカット加工がメインですが、お客様によっては強度をつけたいというニーズもあるので、その場合は水性ウレタンを使ったコーティング加工を行っています(写真5)。ただ、コーティング加工はある程度設備が必要になるので、ほとんど当社の協力会社にお願いしています。

写真5 水性ウレタンを使ったコーティング加工例写

 

屋内の展示会やイベントなどで、2、3日の使用であれば加工の必要はほとんどありませんが、屋外での使用や屋内の長期間展示、または人によく触られるおそれのあるものなどは、強度をつけるためにコーティング加工が必要になります。このコーティング加工の需要は結構増えていますが、コストが上がってしまうので、必ず用途を確認してからお勧めするようにしています。

当社に依頼されるお客様のほとんどが、インターネットで当社のホームページを見つけてご連絡頂くことが多く、特に経費の問題で金属などではコストが掛かるため、低コストで対応できる素材を探されている時にお問い合わせを頂きます。そのため、色々とコーティング加工を加えることにより、金属などとあまりコストが変わらないようでは意味がないので、コストがあまり掛からない発泡スチロールの優位性というかメリットを活かしてもらうような体制を整えています。

また納期についても、色々と検討され、最終的に当社を見つけて依頼されることが多く、あまり余裕がないため、図面の作成から納品までほとんど1週間位で対応しています。ただ、大量に使用するものや複数の場所に徐々に納品していくケースなどで、1ヵ月位かかることもごく稀にあります。

会社名
第一フォーム株式会社
所在地
横浜市都筑区