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スペシャルインタビュー
2022.06.27
独自の真空吸着技術を活かした垂直壁面走行ロボット
〜空気が抜けるような凹凸面を対象にしたビジネスモデル〜
ステラ技研株式会社
代表取締役社長 林 健治 氏

■御社のコア技術とそれを活かした、主力製品の特徴などについてお聞かせください

 

: 当社のコアとなる技術は、独自の真空吸着技術がベースになっています。真空吸着技術は、空気の抜けない平坦な面を対象によく使われる技術ですが、当社では空気の抜けてしまうような凸凹した面などを対象にした技術をビジネスモデルにしています。

この独自の真空吸着技術を活かして最初に製品化したのが、ハンディ電動吸着パッド『タコパッドⅢ』で、現在当社の主力製品になっています(写真1)。この製品は、名前の通り3号機で、1号機、2号機の失敗を活かし、ようやく製品化に漕ぎつけたモデルです。

写真1 ハンディ電動吸着パッド『タコパッドⅢ』

 

工場などで使われている吸着パッドは、エアホースや電源の確保などが必要なため、単体で持ち運びすることが困難ですが、この製品はオールインワンのポータブルタイプなので、どこにでも持ち運ぶことが可能です。内蔵電池で7時間ほど連続吸着ができ、吸着力も漏気がなければ1台で120kg位まで対応可能です(写真2)。

写真2 『タコパッドⅢ』を利用したビル壁面および風力発電塔の保守作業

 

それから、先程も少しお話したNEDOの「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」に採択されて開発したインフラ診断ロボット『ALP』にも、当社独自の真空吸着技術が活かされています(写真3)。

写真3 インフラ診断ロボット『ALP』

 

この製品は、劣化する社会インフラの点検ロボット分野の橋梁等の検査を行うロボットとして、開発設計コンサルタントであるJパワーグループ、岡山大学、法政大学と共同で開発しています。高精度写真解析/打音検査/レーザ検査装置などを搭載した約85kgの自走ロボットになります。

従来、インフラ維持管理の検査などは人の手による作業が多く、ロボットなどを利用した場合も非常に重く、大規模なものを使用するケースが多いようです。ただ最近では、安全面やコスト/効率面などから検査方法も色々と見直されるようになり、手軽に利用できるロボットへの関心が高まっています。

そのため、当社では『ALP』をさらにコンパクトにした壁面自走小型ロボット『Tenryu-Vmin』も開発しています(写真4)。

写真4 壁面自走小型ロボット『Tenryu-Vmin』

 

この製品は、サイズ:W300×D50×H210mm、重量:約8kgと小型軽量を実現し、容易に持ち運ぶことができます。導通検査/遠隔視認装置などの搭載が可能で、狭いスペースにもアクセスすることができ、建造物壁面や風力ブレード面の自走/点検、コンクリート面やモルタル面での自走を実現しています(写真5)。

写真5 『Tenryu-Vmin』を利用した検査事例

 

『ALP』と『Tenryu-Vmin』は、製品化に向けた調整を引き続き行っており、試作品をお客様に使っていただきながら色々なご意見を反映している状況です。

次に、当社を設立するきっかけになった『ゴンドラ振れ止め装置』についてもここでご紹介しておきます(写真6)。

写真6 『ゴンドラ揺れ止め装置』

 

この製品には、基本6個のタコパッドを搭載した回転体が使われており、この回転体をゴンドラに設置することで高層建造物壁面に常時吸着することができ、ゴンドラのスムーズな昇降を可能にします。既設のゴンドラに容易に脱着でき、作業性や安全性の向上に貢献します。

イメージとしては、ゴンドラ自体に追従して水の上をスーと歩くような感じで動作し、装置自体には制御機能を装備していません(写真7)。これは以前、海外企業と連携して開発を行った時に、制御機能を装備して失敗した経験を活かしており、すでに特許も取得しています。

写真7 『ゴンドラ揺れ止め装置』を利用した作業事例

 

この他にも当社では、過去の経験やノウハウを活かしながら、お客様のニーズにマッチする色々なロボットや装置の提供を行っています。

また、当社が拠点を置くここ相模原市は、非常にロボット産業が盛んな地域で、「さがみはらロボットビジネス協議会」といったロボットビジネスを推進するためのプラットフォームも組織されています。当社も最近ですが会員となり、地域のロボットビジネスに少しでも貢献できればと考えています。

会社名
ステラ技研株式会社
所在地
相模原市緑区