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スペシャルインタビュー
2022.09.12
独自の技術力を活かしてレアメタルスクリューのトップを目指す
〜自社ブランドを立ち上げ常に挑戦と変化を追求〜
株式会社 タカヤマ
代表取締役 髙山 伸和 氏

■自社ブランドを立ち上げられた経緯と概要などについてお聞かせください

 

髙山 : 我々も、自社ブランドをいつかは出したいと思い続けていた中で、お客様のニーズからレアメタルを使ったねじの製造はすでに始めていました。同業の他社では、自社の製品を自社ブランドで展開している所もあり、当社でもレアメタルを使ったねじについてブランド化できないかと社内で検討し、準備を進めていきました。

そして、色々な案が出てくる中で、「レアメタルスクリュー」というネーミングが決まり、その頭文字を取って『RMS』というブランドでのビジネスをスタートさせています。

ただこの市場は、それほど販売数が見込めるような市場ではなく、材料の価格も高価で、ほとんど失敗が許されないようなケースが多く、他社もほとんど参入していないような状況でした。ものづくりとしては非常に大変ですが、当社の技術力を活かして他社のやらないことに目を向けていくことにより、存在間を示せると考えました。

しかし、最初の2、3年はまったく売れず、展示会に出品してもそれほど見向きもされないような状況でした。そのような中、展示会で大手メーカーの方の目に留まり、受注をいただくようになってからは徐々に売り上げを伸ばしていき、我々も非常に自信が付いていきました。

現在、『RMS』ブランドで展開しているレアメタルの素材は、ハステロイとインコネルが中心になっています。

ハステロイは、ニッケルを主体とし、クロムやモリブデンなど様々な合金成分を添加することにより、耐食性および耐熱性を高めたニッケル合金です。添加する成分の違いにより、ハステロイB、ハステロイCなどの種類があります。当社では、主にクロムやモリブデンなどの含有量を増やしたハステロイCに相当するAlloy C276、Alloy C22の各種ボルト、座金、ナットの規格ねじ、それから製作加工品の製造、販売を行っています。当社のAlloy C276、Alloy C22製各種製品は、高温度下の機械的強度が高く、そして耐食性に優れるだけでなく、硫酸や硝酸、塩素などの酸化性雰囲気でも優れた耐久性を誇っています。

またインコネルは、ニッケルを主体とし、クロム、鉄、炭素などの成分を含み、様々な加工材料や鋳物材料としても使われる耐熱/耐蝕合金です。添加するクロム、モリブデンなどの成分の違いにより、インコネル600、インコネル625、インコネル718、インコネルX750などの種類に分けられます。当社では、主にニッケル含有量が高いインコネル600に相当するAlloy 600、インコネル718に相当するAlloy 718製の各種ボルト、座金、ナットの規格ねじ、それからハステロイと同じように製作加工品の製造、販売を行っています。当社のAlloy 600、Alloy 718製各種製品は、高温での高強度/高耐酸化性/耐クリープ性を発揮し、高温域でも高い強度を保持する一方、腐食環境に対して優れた耐蝕性を誇っています。

『RMS』ブランドの製品については、当初は数種類しかありませんでしたが、年々徐々に増やしていくことで、現状では豊富なラインアップを取り揃えています(写真1)。また、需要も当初と比べて伸びている状況です。

写真1 『RMS』ブランド製品の一例

 

■現在の主力となる事業についてお聞かせください

 

髙山 : 現在当社では、「金属加工部品」、「レアメタルスクリュー」、「材料/丸棒/板材」、「工具/機械」、「海外調達」、「特殊ねじ」、「規格ねじ」といったカテゴリーを基本にしたビジネスを展開しています。その中で、「規格ねじ」については従来からのビジネスを引き継ぐ形で進めていますが、ブランド展開している「レアメタルスクリュー」とともに特に力を入れているのは、我々の技術力を活かした「金属加工部品」になります。

「金属加工部品」は、当社の自社工場である三郷工場において、5軸NC旋盤/NC複合機/多軸マシニングセンターをはじめとする最新設備と独自の技術力により、切削/複合加工を中心に行っています(写真2)。また、協力工場による圧造加工にも対応しています。我々が色々なものづくりでご提案する際に、自社のつくり方がベストでない時は、ベストなつくり方をご提案するためにいくつかの協力工場と提携しています。さらに、ねじと一緒に使用される頻度の高いばね製品も取り扱っています。当社では、お客様の要求に沿ったばね製品を試作から対応しています。

写真2 切削/複合加工品の一例

 

そして、今お話したのはどちらかというとメーカー的立場の事業展開ですが、商社的立場の事業展開としては、国内での調達だけでなく「海外調達」も行っています。基本的には、中国を中心にアジア各国などから部材や工具/機械などを調達していますが、逆に日本から中国などに輸出するケースもあります。これは、タカヤマ上海とタカヤマ江陰といった現地法人をもつ強みから、色々とお話をいただくようになり、中には当社の取り扱い品目以外の製品の案件にも対応したりしています。

最近では、メーカー的立場の事業展開に力を入れている状況ではありますが、商社的立場の事業展開についても、色々と間口を広げていくことで新たなビジネスチャンスに繋げていきたいと考えています。

 

 

会社名
株式会社 タカヤマ
所在地
東京都葛飾区