■御社のコアとなるフィルタの技術についてお聞かせください
髙木 : 先程も少しお話しましたが、当社がフィルタメーカーとしてスタートするきっかけとなった、ショベルカーなどの建設機械に使われる小型フィルタのノウハウがコア技術になっています。
当時、ショベルカーなどの建設機械は精密制御を求められるような時代に差し掛かっており、乗り心地は自動車並みで、動作も人が動いているようなスムーズさが要求されていました。それに対応して、油圧機器の小型/高圧化、サーボ化が図られ、これに伴って油圧機器のクリアランスが狭小化した結果、精密化した各機器を守るための対策が必要になりました。
そのため、それに対応する小型フィルタの開発に着手し、試行錯誤をしながら数年かけて独自に開発しました。実際、大手建設機械メーカーに使っていただいたところ大きな反響を受け、国内ほぼすべての建設機械メーカーに使っていただくとともに、海外でも使われるようになり、当社の小型フィルタが世に広まっていきました。
そして、このコアとなる小型フィルタの技術を活かし、様々なニーズに対応しながら製品ラインアップを増やしていき、建設機械分野だけでなく、幅広い分野に少しずつ認知度を上げていき、現在では薬粧、食品、半導体、鉄道、防衛関連等に使用されています。
■御社の製品ラインアップと最近注力している製品について、特徴などをお聞かせください
髙木 : 当社は、水/空気/ガス/溶剤/油にいたるコストや環境問題を踏まえ、各種流体管理に対応する高性能フィルタとストレーナを提案しています。お客様のニーズを参考にして、需要の見込めそうな独自性のあるユニークな製品をすべて自社で開発し、数多くラインアップしています。
基本的には、標準品よりもカスタム品の方が多く、また標準品の材料や寸法の異なるものを準標準品として区分しており、全体の割合としては、大体でカスタム品50%、準標準品10%、標準品40%といった状況になっています。
そのような中、最近は人手不足の問題から省人化が加速していくと思われますが、我々もそういったことを踏まえ、できるだけフィルタの寿命を延ばす取り組みを行い、このたび自動洗浄機能付きの製品を開発しています(写真2)。今までのように、フィルタ内に溜まったごみを人が取り除いて掃除するのではなく、ある程度ごみが溜まると自動で感知し、そのごみを自動でバルブが開いて排出する製品になります。
今までも、このような製品は世の中にありましたが、ほとんどシステムになってしまうので、フィルタ自体はフィルタメーカーがつくり、その他の電気系やバルブなどは外注や他で調達するケースが多く、コストが非常に高くなっていました。それでは、お客様もなかなか使いづらくなると思うで、センサやバルブなども自社でつくり、コストを下げた製品を開発し、現在は発売に向けた最終テストなどを行っています。
今後は、このような省人化向けの製品を1つの柱にしていきたいと考えています。また、その他にも力を入れている製品が色々ありますので、ここでいくつか紹介させていただきます。
まずは、フィルトレーションコントローラ『CA/CB』を紹介します(写真3)。フィルタの目詰まりによる差圧上昇の検出や使用時間、洗浄時間の管理をするコントローラです。管理条件をユーザーが設定可能で環境に応じた流体管理を実現します。
次は、超小型ラインフィルタ『MF/SF』を紹介します(写真4)。この製品は、小型のソケッットや食い込み継ぎ手に接続された小径パイプに内蔵される流体用フィルタで、非常にコンパクトな構造により、既存の配管に容易に設置できます。接続口径は、Rc1/4〜Rc1/2を揃えています。
次に、極小コイン型フィルタ『C/CW』を紹介します(写真5)。この製品は、小型/薄型で各種流体機器にコンパクトに内蔵することが可能です。外径は、φ5〜φ50mmまで取り揃えています。当社独自構造により、高い耐圧性能をもち、油空圧をはじめとする各機器のポート、フランジ等に容易に装着できます。
次は、中大型ディスクフィルタ『DF』を紹介します(写真6)。この製品は、小さい面間距離でろ過を実現するディスク型フィルタです。大径ディスク型エレメントを内蔵しており、面間距離が小さく、配管を自由にレイアウトしやすくなっています。フィルタエレメントは、スクリーンとサポートディスクの2重構造により高い差圧強度を有しており、さらにオプションで補強アタッチメントを取り付けることが可能です。
次に、マニホールドフィルタ『MF』を紹介します(写真7)。この製品は、マニホールドブロックに内蔵されるフィルタで、分岐配管とフィルタを集約することができます。また、差圧インジケータとコントローラを付属することでリアルタイムの流体管理が可能です。
- 会社名
- 株式会社 ツカサ
- 所在地
- 横浜市泉区
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