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スペシャルインタビュー
2022.06.21
全自動化に向けた “3つのゼロ”を実現させる 新機種を開発
〜世の中に必要とされるものを先行して進める取り組み〜
株式会社 FUJI
代表取締役社長 須原 信介 氏

■『NXTR』と『NXTR PM』の特徴などをお聞かせください

 

須原 : まずは、電子部品実装ロボット『NXTR』について紹介します。この製品には、フィーダを運んでセットする新開発の「スマートローダー」が搭載されており、必要な時に必要な場所へ、正確に部品を自動でセットすることが可能です。これにより、オペレータの作業負荷が軽減でき、作業ミスによる装置停止をなくすことで生産性の向上が期待できます。

また、生産に使用するフィーダだけではなく、次生産用や補給用の部品がセットされたフィーダを準備しておくスペース(ベースバッファ)を備えています。これにより、段取り替えや部品補給時のフィーダ移動は、ベースバッファと本機の上下間で行われ、「スマートローダー」の動作は最小で時間は最短になり、効率的な交換が実現できます。

当社従来機である『NXT』で高い評価をいただいている交換可能な小型軽量ヘッドについても、さらに磨きをかけて3タイプ(RH20/08/02)に集約しています(写真3)。実装品質の面では、リアルタイムで吸着/装着部品チェックを行うIPS(インテリジェントパーツセンサ)に加え、 全ヘッドがタッチダウン検出(装着高さ調整)機能に対応したため、確実な実装を実現します。また実装速度においても、RH20ヘッドは従来ヘッド(H24S)と比べて42%向上し、高速/高精度/低衝撃という当社製実装ロボットの強みがさらに向上します。

写真3 新開発の小型軽量ヘッド『RH20/08/02』

 

さらには 、ベース内に配置されたコンベアにより、リールから発生するごみを自動回収することで、常に実装フロアの環境をクリーンに保つと同時に、ごみ回収作業の負荷軽減を実現します(写真4)。これにより、残テープ回収の効率向上に貢献することができます。

写真4 残テープ回収ユニット

 

次に、クリームはんだ印刷機『NXTR PM』を紹介します。この製品は、新たに開発したスキージと印圧制御システムにより、はんだ転写量の制御を高速で実現します。これにより、難易度の高い基板やパターンでも、安定した転写量を確保することができるようになります。

従来の印刷機では、スクリーンマスク、はんだ、クリーニングペーパーの交換など手作業が多く存在し、自動化はほとんど進んでいませんでした。この製品は、これらの自動化を最重要課題と位置づけて開発しており、 運転中のクリーニングペーパーやはんだカップの交換、はんだ自動供給などが可能になっています(写真5、6)。

また 、1台でシングルレーン生産、デュアルレーン生産に対応します(写真7)。さらに、『NXTR』とコンベア位置や基板幅の仕様を統一することでトラバーサーが不要になり、直行ラインを構成する印刷機となり、多品種少量から大量生産まで柔軟な対応が可能になります。

写真5 クリーニングペーパーの無停止交換

写真6 はんだカップの無停止交換

写真7 シングルレーン生産とデュアルレーン生産用スクリーンマスク

 

スクリーンマスクも650×550mmから29インチサイズ、750×810mmまで幅広いサイズに対応でき、『NXTR』と同様にどのような市場のどのような基板にも柔軟に対応し、高い信頼性と印刷品質を確保することができる製品です。

会社名
株式会社 FUJI
所在地
愛知県知立市