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スペシャルインタビュー
2022.07.12
人の役に立つようなユニークで独自性のある製品を開発
〜ホログラフィカメラを始めとする幅広い製品を展開〜
有限会社 石川光学造形研究所
代表取締役 石川 洵 氏

■御社のコアとなるホログラフィカメラの概要についてお聞かせください

 

石川 : 日本でホログラフィが知られるようになったのは1980年頃で、当時のホログラフィを制作する手段としては、「大型の光学定盤の上に自分で光学部品を配置し、精密に調整する」といった、ある程度の経験を積んだ専門家でないと扱えないような状況でした。

しかし私自身は、「ホログラフィも写真の仲間である以上、撮影するためのカメラが存在しないのはおかしい」と考えていました。そのため、独学で勉強した知識を活かし、1983年に8×10インチ判のホログラフィカメラを開発しました。この初期モデルは、白色光再生のレインボーホログラムと呼ばれる2段階で撮影し、ホログラム撮影も可能なオールマイティで、撮影が容易なタイプのものでした。

これがスタートラインとなり、大型のものから持ち運び便利な卓上型まで、6機種合計約50セットを大学や企業の研究部門向けに製作/納品しています。また、特注仕様として連続写真から合成できるホログラフィックステレオグラム専用機や、ホログラフィアニメーション撮影機、再生機も複数台製作した実績があります。

残念ながら、2005年以降のホログラフィ需要が減退してからは、これらのノウハウや技術を応用し、レーザ光学実験装置やレーザ干渉計などの開発をスタートさせています。

 

■では、現在展開されているレーザ光学実験装置/レーザ干渉計などについてお聞かせください

 

石川 : まずは、レーザ光学実験装置『HOLOART LM-1』を紹介させていただきます(写真3)。この装置は、「光の干渉と回折」、「ホログラフィ」、「屈折と反射」、「偏光の実験」など、光学分野における様々な実験が可能な製品です。

写真3 レーザ光学実験装置『HOLOART LM-1』

 

従来、大きく重い光学定盤が必要と考えられてきた干渉計ホログラフィの実験が、小型で軽い本製品1台で、誰にでも簡単にできるようになります。屈折や反射も、本製品の特徴である3本ビーム方式により、分かりやすく観察することができます。教科書や図だけでは理解が難しかった干渉や屈折も、実際に見える実験ができるため、学習効果は大きくなると思います。専用ケースを用意しているので、運搬や保管にも大変便利になっています。

次に、半導体レーザ干渉計『LDIF-1』を紹介させていただきます(写真4)。

写真4 半導体レーザ干渉計『LDIF-1』

 

従来、干渉計実験には、大きく重い定盤と高価な光学部品が必要と考えられてきました。本製品は、B4サイズと小型なうえ、代表的な干渉計であるマッハ・ツェンダーとマイケルソンの両方式の実験を1台で対応し、除振定盤も不要になります。教科書や図だけでは分かり難かった「光の干渉および波動性」についても、本製品による見える実験により、分かりやすく学習することができます。

それから、昨年の1月に新製品として発売したマイケルソン干渉計『LDIF-M1』も紹介させていただきます(写真5)。この装置は、マイケルソン方式の実験に特化した製品で、『LDIF-1』よりも軽量で非常にシンプルなモデルになっています。

写真5 マイケルソン干渉計『LDIF-M1』

 

レーザを始め、実験に必要なコンポーネントがすべて搭載されており、卓上で手軽に光の干渉実験が実現できます。レーザの光軸合わせが不要で、ミラーの簡単な調整のみですぐに使用できます。また、コリメート光学系を装備しており、見やすい大きさの干渉縞を表示します(写真6)。一目で分かる構成で科学館や教育機関の展示用途にも適しています。

写真6 スクリーンに映った干渉縞

 

会社名
有限会社 石川光学造形研究所
所在地
東京都品川区