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スペシャルインタビュー
2022.07.15
ロボットとアプリケーションのセットで応える自動化相談
〜ユニークな製品を活かした特徴ある課題解決〜
ABB株式会社
代表取締役社長 兼 ロボティクス&ディスクリート・オートメーション 事業本部 事業本部長 中島 秀一郎 氏

■御社が展開する協働ロボットについて、概要や特徴、新たなラインアップなどお聞かせください

 

中島 : 当社の主力となる協働ロボットは、2015年にリリースしたクラス最高の安全性を備えて設計された協働型双腕ロボット『YuMi』になります(写真1)。

 

写真1 協働型双腕ロボット『YuMi』

 

この製品は、500g可搬の双腕タイプからスタートし、初めてロボットの導入を検討されているお客様に対して、構想を練る段階からお手伝いさせていただています。特に、中小企業をメインターゲットに事業を展開し、組み立て/検査工程への導入を中心に進めている状況で、双腕タイプだけなく単腕タイプも用意しています(写真2)。

写真2 協働型短腕ロボット『Single-arm YuMi』

 

また、協働ロボットというと「協働」という言葉で一括りに捉えられがちですが、人とロボットの間に協働のレベル、段階が存在します。その中で『YuMi』は、人とロボットが同じ場所で同時に作業を行うケースで使われています。それ以外のレベルでは、場所は共有しているけれど作業は共有しない、といったケースがあります。これは、例えば人がものを運んできてその場所に置いたら、後はロボットが作業を行うというような内容で、特に可搬重量が大きい場合に該当します。

そのようなケースに対応する製品として、今年の2月にグローバルで5kg可搬に対応した協働ロボット『GoFa』と4kg可搬に対応した協働ロボット『SWIFTI』と、をリリースしています(写真3、4)。

写真3 協働ロボット『GoFa』

写真4 協働ロボット『SWIFTI』

 

『GoFa』は、協働のレベルとしてはより『YuMi』に近い高可搬タイプです。6つの関節それぞれにインテリジェントトルクを搭載し、優れた出力と力制限性能を提供します。これらが組み合わさることで、人との接触を感知した場合、即座に停止することにより負傷するリスクを防止できます。また、簡単なセットアップで動作できるなどの特徴があります。

『SWIFTI』は、協働ロボットのデメリットとされる「スピードが遅い」という問題をクリアにしています。人が作業に介在する場合、安全面でロボットの動作速度を落とす必要が発生します。そのため、人が近づいたら動作速度を落とし、離れたら元の動作速度に戻す仕組みで、エリアモニタリングをしながら作業場所を共有するというパッケージにしたモデルです。産業用ロボット本来のスピードを引き出しつつも、安全かつより簡単迅速に設定/プログラミングを行えるなどの特徴があります。

今回リリースした2つのモデルによって、お客様に提案できる幅が格段に広がりました。今年の8月には、当社の中部事業所においてデモ機のお披露目会を開催しており、すでに受注などもいただいている状況です(写真5)。また、協働ロボットと産業ロボットの中間的な存在として、協働ロボットから産業ロボットへ橋渡しするような展開も期待しています。

写真5 中部事業所でのデモ機の展示風景

 

なお、我々は協働ロボットの販売後、その価値を存分に引き出していただくために、会員制の動画サイトの開設や各種トレーニングなど、色々と力を入れています。お客さまにとっては、販売後、設置後が勝負だと考えています。その中でも注目を得ている取り組みが、リモートサポートです。当社の操作系ソフトウエア(写真6)とロボットを同期し、Microsoft Teamsと組み合わせることで、現状のコロナ禍においても、リモートでよりお客様ごとの課題に根ざしたサポートをスムーズに行えるため、ロボットの命ともいえるお客様の使いこなしを促進する取り組みを加速しています。

写真6 操作系ソフトウエア『RobotStudio』の操作画面

会社名
ABB株式会社
所在地
東京都品川区