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スペシャルインタビュー
2023.08.15
ユーザーニーズに寄り添ったより良い設備/装置づくりを目指す
〜製造業と機械工具商の併設でロボット事業を展開〜
株式会社 テーエムシー
代表取締役  大貫 康裕 氏

製造業と機械工具商の2本柱でビジネスを展開する株式会社 テーエムシー。今回は、機械工具商で培われた経験/ノウハウを活かしたロボット事業を中心に、同社の概要と事業内容、製品の導入事例などについて、代表取締役 大貫 康裕 氏にお話を伺った。

 

■御社を設立された経緯や概要などについてお聞かせください

 

大貫 : 当社は、1987年に創業者の目黒氏が機械工具商として、相模原市上溝に設立したのが始まりになります。元々、目黒氏は商社に勤務しており、その時の部下であった私の父とともに、独立する形で起業しています。

事業としては、主に自動車業界や電気関連企業などを中心に卸売業として展開していました。私は後継者として入社した訳ではなく、実は、入社する以前に父が病気で入院していた時期があり、父には相談せずアルバイトという形で会社には携わっていました。当時私は、大学を卒業するかしないかの時期で教員になることを目指していましたが、アルバイトで体験した営業職が面白く、人に会ったり商談していくことなどが教員とも似通ってる所があり非常に興味をもち、目黒氏にお願いして入社したのが実際の経緯になります。

その後、目黒氏の退任に伴い、父と私で会社の証券を購入させていただき、当社を引き継ぐ形で存続させ、所在地も祖父の土地であった現在の相模原市緑区大島に移転しています。それが2001年の出来事で、同時に父が2代目の代表取締役に就任しています。

そして、引き続き商社的立場で事業を展開し、その中でも設備関連の仕事が多く、協力会社に装置の製造を委託する形で、納品は我々が行っていました。その後、リーマンショックの影響で色々と淘汰されていき、委託してもらえる協力会社もどんどん減っていきました。受注をしてもつくり手が見つからず、非常に困っている中で、最終的に出した決断は自社で製造部門の立ち上げを行うことでした。

そして、今まで商社として培ってきた設備関連の経験を活かし、2011年に相模原市中央区田名に自社の製造工場として田名工場を開設しています。これにより、機械工具商と製造業を併設したビジネスをスタートさせています。当初は、卸す側とつくる側ではまったく役割が違うので、本当にできるのか不安もありましたが、実際に始めてみると上手くかみ合っていきました。

つくる側のセットメーカーは色々なものを購入し、それを組み合わせて形にして納品するケースも多いのですが、お客様の短納期などに対応するために、「新製品の情報や互換性」、「汎用品か特殊品か」などといった機器類の選定にまで多くの時間を費やすことが難しく、また、機器類を入手するまでには何社もの代理店を経由している場合も多いことから、納期の把握や管理にも時間を取られてしまうような状況が多く見受けられました。

我々は、今までの経験からそのようなことを得意としており、最適なものを選定するとともに納期管理も行えました。それが相乗効果となり、現在も2つの事業が上手く機能しています。

そして2015年、父に代わり私が3代目の代表取締役に就任しています。これまで築き上げてきた先駆者の実績や経験値を軸に、私自身がロボットに興味があったこともありますが、世の中では省人化が加速する中で、多関節ロボットや直交ロボットがマストアイテムになると考えました。

そのため、製造業の一環としてロボット事業を推進していき、現在もロボットを中心とした省力化装置の設計製作、設備に欠かせないユーテリティ類の提供や空調機など、作業者への環境対策と合わせて提案を行っている状況です。

 

■御社のロボット事業における技術と取り組みなどについてお聞かせください

 

大貫 : 基本的にロボット事業を始めるにあたり、新たなエンジニアを雇用したりせず、現状のスタッフで時間を見つけては勉強会などを実施していました。この事業をスタートさせた当時は、まだ今のような働き方改革といった制約もなかったので、有志を募り夜遅くまで色々な案件について意見交換なども行っていました。

勿論現状では、働き方改革もいち早く取り入れて夜遅くまで居残ることはありませんが、その時の経験は我々にとって良い刺激になり、ある意味自信にも繋がったと思っています。

そして、製品開発を推進できるような開発力については、まだ発展途上となりますが、市場では多くのメーカーが素晴らしいアイテムを開発/展開しているので、それらを活用させていただくことにより、1+1が2以上になるような組み合わせに検討を重ねて装置に活かせるよう心がけています。

また、現状の取り組みについては、営業部門がお客様の声を真摯に受け止め、技術スタッフや設計者の意見を取り入れながら社内協議を進めていき、同時に協力企業や製品メーカー担当者とも情報の共有を図っていきます。それぞれが得意な分野を活かし、互いに補い、様々な意見や発想が飛び交う中で、少しでもより良い製品が生まれるような環境づくりにまで目を向けています。

さらに、案件によっては必ずしもロボットを必要としないケースもありますので、ランニングコストやメンテナンス性なども含め、お客様のニーズに対して最適な提案を行えるように取り組んでいます。

会社名
株式会社 テーエムシー
所在地
神奈川県相模原市緑区