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スペシャルインタビュー
2022.01.15
タッチパネルに特化した垂直統合式の事業を目指す
〜川上から川下までの製品ラインアップで事業展開〜
株式会社タッチパネル研究所
代表取締役 三谷 雄二 氏

■評価関連の事業についても進められているとのことですが

 

三谷:事業展開とまではいきませんが、当社のコア技術となるタッチパネルの検査機や評価装置の開発なども行っています。製品自体の販売も行っていますが高価ということもあり、購入していただくというよりは、大手材料メーカーなどの依頼を受けて材料などの評価を行うサービスがビジネスになっています。タッチパネルに関する評価を行っている企業は、ほとんどといっていいほど耳にしないので当社の特徴にもなっています(写真1)。また製品としては、タッチパネル評価機3機種をラインアップしています(写真2)。

写真1 タッチパネル試験機による評価試験

写真2 評価試験機のラインアップ

 

タッチパネル試験機は、タッチパネルや導電性ガラス/フィルムの電気特性(リニアリティ、端子間抵抗、回路抵抗率)およびタッチパネルの上下電極間絶縁抵抗を測定する装置で、直線、カタカナ、アルファベット大文字/小文字、格子などの摺動筆記試験を行うことができる大型のプロッタ方式と、直線、四角および格子などの摺動筆記試験を行うことができるロボット方式を用意しています。摺動試験機は、ペンで直線摺動を繰り返し、物理的損傷の評価を行う試験機です。打鍵試験機/ON荷重測定機は、上下電極間に電圧を印加した状態でペンによる打鍵を繰り返し、物理的損傷と電気的損傷の複合評価を行う試験機です。正常な状態ではオシロスコープに矩形波が表示されますが、打鍵回数が増えるとこの矩形波が著しく崩れた状態となり、NGと判断します。ON荷重はタッチパネルが可動する最小荷重を電子秤あるいはロードセールで読み取ります。

製品/材料の受託評価としては、抵抗膜式タッチパネルおよびタッチパネル用各材料の評価を行います。タッチパネル評価は主に4線式および8線式、評価する材料は透明導電性フィルムや導電性ガラスが中心となります。評価結果については、当社の今までの実績を踏まえたコメントを付与し報告します。

また、このような評価関連のノウハウを活かして、2000年から台湾などでタッチパネルの生産技術指導も開始しました。今までに、台湾企業4社、中国企業1社、韓国企業1社で実施し、現在では技術指導を行った企業で当社製品のOEM生産を行っています。

 

■御社のタッチパネル製品についてお聞かせ下さい

 

三谷:タッチパネルの種類を大きく分けると、「抵抗膜方式」「静電容量方式」「光学式」「超音波方式」の四つに分類されます。当社は、ペンでの文字入力/指入力共に可能な「抵抗膜方式」をメインに、小型サイズ(2インチ)から大型サイズ(20インチクラス)までの製品をラインアップし、少量試作から量産(100KP/M)までの幅広いニーズに対応しています(写真3)。また、「静電容量方式」「超音波方式」「光学式」などのニーズにも対応することができます。
それでは、当社がこれまで開発してきました抵抗膜式タッチパネルの一部を紹介させていただきます。
高透過率(低反射)タッチパネルは、反射防止(AR)層が入った材料(ITOガラス等)を使用し、透過率を向上させたタッチパネルです。これにより、表示画面のコントラストや視認性が高まり、屋外での使用にも適しています。強化ガラス製タッチパネルは、部電極に強化ガラスを使用することにより、耐衝撃性を向上させたタッチパネルです。PDAやノートPCなどの業務用端末、モバイル機器に適しています。覗き見を防止したタッチパネルは、プライバシー保護、セキュリティー維持のため、タッチパネルに視野角調整機能を加えたものです。銀行やコンビニのATM機器、暗証番号入力板などに適しています。EMI機能付きタッチパネルは、LCDユニットなどからの電磁波を遮蔽するEMI機能を備えたタッチパネルです。

写真3 抵抗膜式タッチパネル(単品)

会社名
株式会社タッチパネル研究所
所在地
東京都八王子市