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スペシャルインタビュー
2022.07.12
“エンジニアリングDX”をコンセプトにDXの普及を目指す
〜DXの核となる4つの要素技術で事業を展開〜
キヤノンITソリューションズ株式会社
執行役員 エンジニアリングソリューション事業部 事業部長 稲村 嘉光 氏 エンジニアリングソリューション事業部 エンジニアリング第二技術本部 IoT技術部 IoT技術第一課 課長 稲山 一幸 氏

■xRソリューションの新製品となるMRシステム『MREAL S1』について、特徴などをお聞かせください

 

稲山 : 『MREAL S1』は、“MREALシリーズ”のエントリーモデルという位置づけで、小型軽量/システムコストダウン/使いやすさを追求した製品です(写真1)。

写真1 MRシステム『MREAL S1』

 

手のひらに収まるコンパクトな本体は、質量約137gという軽さを実現しています。“MREALシリーズ”から得たユーザーの声と人間工学に基づいて設計したヘッドマウントユニットは、装着した状態で本体の上下位置や、眼幅を調整できる機構により、使用者に合わせた細かい調整が可能です。また、フリップアップ機構により、装着したまま周囲の安全を確認することやメモなどを取ることも可能です。

そして、シリーズ専用のソフトウエア『MREAL Platform 2021』は、初めて使用される方でも分かりやすく直感的に操作しやすいよう、ユーザーインタフェースを一新しています。体験中の様々な情報を可視化するプレビューツールも改良することで、快適なMR体験を支援し、利用用途に合わせて機能を取捨選択できるモジュール化の採用も行っています。

さらに、ビデオシースルー方式を採用し、現実とCGのシームレスな融合を追求する高画質と実寸感覚も大きな特徴となっています。表示映像の高精細化とsRGBを約99%カバーする色域を実現するとともに、大きさや距離に違和感の少ない実寸感覚のMR体験を実現するため、従来の“MREALシリーズ”と同様に、瞳に対してカメラと表示パネルを直線的に配置する光軸一致、カメラと瞳の位置を近づける薄型化技術を搭載しています。

コストについても、システム全体のコストダウンにより、従来の“MREALシリーズ”のような高価モデルと比べ、導入しやすいモデルとなっています。今までは、どちらかというと大手の限られたメーカー様向けに販売していましたが、『MREAL S1』は、より多くのお客様にとって導入しやすい価格設定になりました。また、使われるシーンとしては、技術継承や作業環境の改善など幅広く活用できますが、どちらかというとお客様と互いにコミュニケーションを取りながら、新たな活用シーンを色々と見出していきたいと思っています。

ただ、このようなMRなどのxRは、実際に体験していただかないと実感が湧かず、導入までスムーズに進んでいかないため、我々の部署がある天王洲事業所にはデモスタジオ(予約制)を常設しており(写真2)、各種デモが体験できる体制を整えています。

写真2 天王洲事業所に常設のデモスタジオ

 

■今後の展開についてお聞かせください

 

稲村 : これまでは、国内外のパッケージ製品などを我々の技術力やサポート力を駆使して色々な局面で販売してきましたが、これからは“エンジニアリングDX”をコンセプトに、例えばCADの3Dデータを起点にしたデジタルツインの実現というような、今までお客様が部分最適として導入していたソリューションを全体的に結合し、全体最適のような形にしていく取り組みを進めていきます。

これは、単なるデジタルツインではなく、CADを起点にした3Dデータのデジタルツインでもあり、製造業の現場で先程ご紹介したIoTのFAやIMの技術でセンシングしたデータや画像を取り込んだうえで、デジタルツインを実現するという形での提供を考えています。

その中で、特に他社が真似できないところが我々のxRという技術であり、付加価値でもありますので、もっと市場に訴求していかなくてはいけない部分ではないかと考えています。

 

本日はお忙しい中ありがとうございました。

 

会社名
キヤノンITソリューションズ株式会社
所在地
東京都港区