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テクニカルレポート
2025.09.25
ガラス基板、ガラスコア、Glass PKG実装技術 電子部品への応用
Grand Joint Technology Ltd
大西 哲也 (T. Onishi)

①実装学会や展示会で話題のGlassパッケージ技術

ガラスは優れた耐熱性と耐薬品性、高い透明性と非常に滑らかな表面、剛性、寸法安定性、非吸湿性を有する材料であり、すでに多くのエレクロニクス関連を含む工業製品に使用されている。

エレクトロニクス実装分野では、ガラス材料は表示用素子やカメラ関連で以前から多く使われている。ガラス基板としてはRF用受動素子、センサを含むMEMS部品、フォトニクス分野、アンテナ、メディカル用途などで、すでに実用化段階ないしは一部実用化されている(表1)。

表1 Glass PKG 用途例

 

最近では、米国大手半導体メーカーなどがその活用をAI用途HPCなどに提案、アナウンスしているため、実装学会でもGlass PKGセッションでは人が多く集まり、大きな話題を集めている。

ガラス基板、ガラスコアを用いるハイエンドのガラスPKGでは、表示用素子とは異なり、両面メタル配線ガラスコア、High AR(アスペクト比)TGV、小径ビア形成、両面再配線層RDLも必要になり、その実現にはまだ課題も多い。表2に、ジョ−ジア工科大学のRao Tummala先生が以前から示されている有名な、ガラス素材の特性比較表を示す。表3は、故・傳田先生が2015年に示された、ガラスインターポーザの特徴である。

表2 ガラス素材と他材料の特性比較

表3 ガラスインターポーザの特徴

 

現在の課題を確認すると、実は、10年以上前の表2・表3が示す内容と、ほとんど同じ状況である。むしろ開発が進み、課題事項がさらに増えているのが実態である。また、ガラスPKGに注目した、まとまった大きな研究会や本などは、日本では未だにほとんどない。

Glass PKGに関する学会などでの個々の論文発表は、2010年のジョ−ジア工科大学のガラスインターポーザ(図1)を筆頭にして歴年のECTC(Electronic Components and Technology Conference)などの学会や、2024年JIEPエレクトロニクス実装学会ICEP(International Conference on Electronics Packaging)2024国際会議@富山、ICEP2025国際会議@長野でのGlass PKGセッションなどで、多く発表されている。

図1 Glass PKG ECTC2010 1st Georgia Institute paper

 

ガラスPKG対応の日本の材料、日本・欧米・台湾の工程設備などが注目を浴びて、活況である。

会社名
Grand Joint Technology Ltd
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