様々なアイデアを具現化し、事業を展開する株式会社 C-t-i。今回は、アイデアを具現化するため特許取得を優先させている同社の概要と、コア技術となるRFIDを活用した2つの柱となるビジネスモデルについて、代表取締役社長 田口 氏にお話を伺った。
■御社を設立された経緯や概要などについてお聞かせください
田口 : 当社は、現在共同代表を務める近田氏が出資する形で、2015年7月に設立しています。近田氏とは、私が以前勤めていた会社の取引先で知り合い、過去の実績やその会社での様々な提案などの経緯から、私が形にしたいアイデアに興味を示し、会社設立に至りました。
当社では、アイデアを具現化するためにまず特許取得を優先させており、デモ機までは自社でつくることをステップとして、知財対応を先に優先して行っています。元々私は、金融関連の企業でセキュリティに関する業務を行っていましたが、そこでRFIDと人感センサに注目し、この技術を組み合わせれば今までにないビジネスモデルが開発できるのではないかと考え、それが当社を起業するきっかけにもなっています。
ただそれは、最先端の仕様をつくるビジネスモデルではなく、逆に「皆様が親しむ物でこれ以上のローテクな仕組みでできないだろうか」を考えるビジネスモデルの仕様でした。会社を設立する段階で、私の頭の中ではこのビジネスモデルの仕様はある程度固まっていましたが、特許を取得しないと製品化できないという考えもありました。
そのため、まずは特許取得に取り組もうとしましたが、RFIDと人感センサの技術はもう何十年も前から存在している技術なので、なかなか特許に結び付く切り口が見つからず、月日だけが過ぎていきました。その期間、別のアイデアを活かした提案を行いながら、建設業などの分野で事業を展開し、会社の経営を維持していました。
そうした中、日本国内のRFID事情に変化がありました。RFIDはすでに30年以上も前から存在する技術で、海外では920MHzの周波数帯を利用していますが、日本だけは950MHzの周波数帯を利用しており、製品自体も高価なものでした。しかし日本も、2018年4月に周波数改正が行われ、世界共通の920MHz帯に移行されたことで、海外製の安価な機器が利用可能になりました。
そこで、今後は海外製の安価な機器を活用した民生利用も増えてくると予想し、中国のメーカーにも出向くなど製品化への糸口を見つける取り組みを進めていきました。
そして、他社が出願済みの特許など色々と障害はありましたが、クリアできる方策を見つけ、ようやくRFIDと人感センサを組み合わせた『エリア検知センサー』と、RFIDとデジタルサイネージを組み合わせ特許取得した『おもてなしサイネージ』というビジネスモデルにたどり着きました。『おもてなしサイネージ』は、中国のホテルに宿泊した時の出来事がヒントとなり開発に至りました。
このように、RFIDを活用した2つのビジネスモデルを柱に事業をスタートさせ、現状では展示会などを中心にPR活動を進めています。
- 会社名
- 株式会社 C-t-i
- 所在地
- 東京都千代田区
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