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テクニカルレポート
2019.07.05
ALD(原子層堆積)超薄膜による絶縁コーティンク゛及ひ゛ウィスカ防止への展開
PICOSUN JAPAN(株)

 

4. ALDによるウィスカ防止

 

 すす゛合金によるウィスカは、1940年代からエレクトロニクスの世界て゛は知られていた。

 鉛の添加によって防け゛ることから、鉛はんた゛か゛主流て゛あった80?90年代には問題とされていなかったか゛、RoHS規制対応のために鉛フリーはんた゛か゛使われはし゛めた2000年前後にクロース゛アッフ゜されることとなった。

 ウィスカは、はんた゛・めっきなと゛のすす゛薄膜表面に発生する細線状の結晶成長て゛、ハ゛ルク状態のすす゛表面には発生しにくいため、薄膜内部の局所的な応力勾配か゛駆動力て゛あると考えられている。

 ウィスカは金属結晶て゛あり導電性か゛あるため、端子・基板上に付着することて゛電気的短絡を起こす恐れか゛ある。

 したか゛って、ウィスカを防止することは、電子機器の信頼性を向上させる上て゛必要不可欠て゛あり、様々な取り組みか゛行われている。

 Picosun社はフ゜リント基板アセンフ゛リにALDコーティ ンク゛を施すことにより、すす゛ウィスカを防止する研究をESA(European Space Agency、欧州宇宙機関)と共同て゛行った。

 銅板上に厚さ2μmのSn-Cu電気めっきされたものを試験片として使用した(図4)

 

図4 試験片写真

 

 その後、[表2]に示す処理を行い、室温にて8?12か月経過後にウィスカの発生を観察(任意の20個所て゛の発生数平均)した。

 

表2 試験工程水準表

 

 その際、ハ゛ッチ1、2を除いて、ALD処理をしない以外はまったく同一のフ゜ロセスて゛作成したコントロールサンフ゜ルを用意し比較した。

 結果を[表3]に示し、簡単に結論を下記する。

 

表3 ウィスカ平均観察数

 

•ALDコーティンク゛されていないサンフ゜ルからは?350程度のフィラメント状ウィスカ(図1参照)の発生か゛見られた

•ハ゛ッチ7・8を除き、ALDコーティンク゛されたサンフ゜ルて゛は、ウィスカの大幅な低減か゛見られた(ハ゛ッチ3て゛は観察数セ゛ロ)

•発生数た゛けて゛なく、ウィスカ長さについても差か゛見られた(ハ゛ッチ3?6 のALDコート品て゛は50?75μm、未コート品て゛は100?500μm)

•SEM観察によると、ALDコート品て゛発生したウィスカは、ほとんと゛か゛ALDコーティンク゛されている(図5参照)

 

図5 ALD工程後、酸化膜中に封止されたウィスカ  (a)一部クラックの入った膜中のウィスカ  (b()c)完全にコートされたウィスカ

 

 すなわち、ALD処理前からすて゛に発生していたウィスカて゛あると考えられる。

 

 

5. 結言

 

 本稿て゛述へ゛たように、電子テ゛ハ゛イスハ゜ッケーシ゛やフ゜リント基板アセンフ゛リにおいてもALDの用途は広か゛っている。

 ウィスカ対策に関しては、紙面の都合上内容を大幅に割愛せさ゛るを得なかったため、興味のある読者は是非、末尾に記載する原著にあたってほしい。

 また、以前メテ゛ィカルテ゛ハ゛イスへのALDについての寄稿て゛述へ゛たように、気密封止性・耐腐食性なと゛の特性も応用可能て゛ある。

 実装工程においても微細化か゛ますます進んて゛いく昨今、ALD技術の活用を是非多くの方にこ゛検討いたた゛けれは゛幸いて゛ある。

 

<参考資料>

1)エレクトロニクス実装学会/すす゛ウィスカ研究会編(2013)「高信 頼性鉛フリーめっきと錫ウィスカ対策」、日刊工業新聞社

2)Terho Kutilainen et al.,(2016)「Atomic Layer Deposition(ALD)to Mitigate Tin Whixker Growth and Corrosion Issues on Printed Circuit Board Assemblies」、

https://www.researchgate.net/publication/303999864_ Atomic_Layer_Deposition_ALD_to_Mitigate_Corrosion_ and_Tin_Whisker_Issues_of_Printed_Circuit_Board_ Assemblies(2019年5月21日アクセス確認)

3)八尋大輔(2019)「インフ゜ラント型電子メテ゛ィカルテ゛ハ゛イスへの ALD(原子層堆積)法による生体適合膜封止」、エレクトロニクス実装技術Vol.35 No.2

 

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