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テクニカルレポート
2018.08.31
1 STOP SOLUTION」が実現させる高度M2M連携による高効率表面実装ライン
IoT / M2M統合システム「インテリジェントファクトリー」
ヤマハ発動機(株)

 

4.「1 STOP SOLUTION」実現のキーとなる新開発SMT機器

 

1. 新インテリジェントSMDストレージシステム『YST15』

写真 インテリジェントSMDストレージシステム『YST15』

 表面実装部品のフレキシブルな入出庫と保管の一括管理を自動で行うことを可能とし、部品供給にかかる時間と手間を大幅に削減した、新開発のインテリジェントなSMDストレージシステム。

 

 『YST15』の特徴を以下に記述する。

 

(1) 大容量でありながらフレキシブルな運用が可能

 1台で最大1,500本(7インチ8mmの場合)のリール部品をそのままの荷姿でダイレクトハンドリングして入出庫及び収納が可能。最大36リールの一括入出庫管理ができるので、入出庫にかかわる作業の時間と手間を大幅に削減できる。さらに、入庫時にIDを自動読み取りして管理するため人為的ミスを防止する。

 湿度管理が必要な電子部品の保管に対応する湿度管理機能も装備(オプション)。また、トレイ部品にも対応している。さらに、最大99台まで連結して一元管理が可能。

 

(2)「インテリジェントファクトリー」との連携により高効率を実現

 電子部品実装工程を一元管理できる「インテリジェントファクトリー」による表面実装ラインとの連携により、補給が必要となる実装部品を最適タイミングで自動的に事前出庫し、一括供給することで、作業者の負担を大幅に削減するとともに部品供給遅れによる生産中断を防止できる。また、AGV(Automatic Guided Vehicle)との連携により、『YST15』から出庫した部品を必要な場所へ自動搬送することも可能。実装工程全体の生産効率を総合的に高めることができる(写真)。

写真 『YST15』からダイレクトハンドリング一括出庫し、まとめてAGV搬送

 

(3) オートローディングフィーダとの連携により相乗効果を発揮

 マシンの稼働を停止することなく簡単に実装部品補給が可能なオートローディングフィーダとの組み合わせによりさらなる相乗効果を発揮。部品供給中にいつでも次のリールをプリセット可能な当社オートローディングフィーダのメリットを最大限に活かす「まとめ補給ソフト」との併用により、補給タイミングの近い複数のリールをまとめて一括出庫して稼働ロスなく補給が可能。作業者の手間と時間を大幅に削減できる。

 

2. 新3D高速はんだ印刷検査装置『YSi-SP』

写真 3D高速はんだ印刷検査装置『YSi-SP』

 「1ヘッドソリューション」をコンセプトとし、1つのヘッドで多様かつ高精度・高速な検査が可能な、3D高速はんだ印刷検査装置(SPI: Solder Paste Inspection)。クリームはんだの印刷状態(体積、高さ、面積、位置ずれ)を検査し、電子部品の搭載前にはんだ印刷の不具合を検出する。さらに、検査結果をリアルタイムではんだ印刷機にフィードバックしてパラメーター調整などに迅速に対応でき、印刷不良を未然に抑止する。

 

 『YSi-SP』の特徴を以下に記述する。

 

(1) 1種類のヘッドで多様な検査に対応する「1ヘッドソリューション」

 SPIにも「1ヘッドソリューション」コンセプトを採用。1台で多様な検査に対応し、時間やコストなどのロスを削減する(図4)。

図4 1つのヘッドで多様かつ高精度・高速な検査が可能な「1ヘッドソリューション」

 

(2) 独自技術による高精度・高速検査

 以下、①?③の3段階アルゴリズムにより、高精度な3D+2D検査を実現。

 

① 自動フォーカス調整により±5mmまでの基板反りに追従してカメラ高さを補正

 

② 2D用リング照明によりはんだペーストの輪郭を正確に抽出して面積を測定

 

③ 位相シフト法によりはんだペーストの高さを測定し体積値を抽出

 また、超解像技術により「標準モード」と「高分解能モード」から対象部品に合わせて解像度を切替え可能である。

 

(3) 綿密で幅広いM2Mソリューション対応(以下例)

 

① 自動段取り切り替え

 指示書や基板のIDを読み取り、基板データやコンベア幅などの設定を上流機から順次自動切り替え

② バッドマーク情報フィードフォワード

 基板上のバッドマークを『YSi-SP』で認識して後続のマウンタに情報伝達、マウンタは部品実装に専念して生産性向上

③ 印刷位置フィードバック

 はんだ印刷ずれを印刷機にフィードバックして高い位置合わせ精度を確保

 

(4) 多彩な統計処理が可能なSPC

 (Statistical Process Control : 統計プロセス制御)

 これによりすべてのパッド画像や測定データを保存し、多様な切り口で統計・分析が可能。

 

(5) 多様な製品対応を可能とするオプション

 0201超小型部品実装に対応する印刷検査が可能な「超高分解仕様」、ディスペンサによる接着剤塗布検査が可能な「ボンド検査」、基板に付着した異物の検出が可能な「異物検査」など多彩なオプションを用意している。

 

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ヤマハ発動機(株)
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