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テクニカルレポート
2015.01.08
実装技術初心者のための『パスポート』
知のインプット/アウトプットのこつ? 第4回 『整理技法』とは?
NPO法人 日本環境技術推進機構 横浜支部

(3)ファイル数の管理

 資料は溜まる一方なので、時おり維持管理が必要である。

 日本では、年末の大掃除が慣例となっているため、この時期に古い資料を処分するのはいうまでもない。年末の大掃除は日本の良い習慣であると思う。かつてドイツに住んでいた時に、年末に大掃除を事務所で実施したところ、ドイツ人からも良い習慣だと褒められた。どうも海外では、このような習慣はないようである。

 東京の浜松町に、東芝の本社ビルがある。このビルが完成する前は、森ビルなど都内各所に各事業部や関連会社が分散していた。関連会社同士の会議となると、どこかに参集して打ち合わせすることになり、はなはだ不便であった。そこで、分散する事務所を集約して効率化を図るために、39階建ての本社ビルを建設することになった。当初、これは『727プロジェクト』といわれた。1972年7月までに完成させるプロジェクトという意味である。

 計画するにあたって、事業部や関連会社に対し、「どのぐらいの面積が必要か?」というアンケート調査が実施された。その結果、なんと39階建てのビルがすべて書類で埋まり、人間が入れない、ということがことが分かったのである。それほどに、各事業部並びに関連会社は、多くの書類を保有していたのである。

 この事実から解決策として『メートル・ファイル(mF)』という方法があみ出された。各自が保有しているファイルの長さをすべて集計してその合計を算出し『mF』で表すというものである。

 事務机の中や書架棚にある各自のファイルの長さをすべて計測し、そして個人ファイルから部門が保有している共通書架棚の書類の長さを集計して申告するのである。このようにして現状を把握したところ、その書類の多さに驚き、そして結果的に書類削減全社運動へと進展したのであった。

 また、自前のビルがなくて都内に貸しビルに事務所を構えているとその賃借料が高いため、いかに効率良くスペースを有効活用するかがポイントになる。だから工場と違って書類の保管場所も制限されるという傾向にあった。そのため、書類数を減らしての管理がポイントとなる。日本語ワープロが導入された頃には、フロッピーディスク(FD)に保存する方法が進展した。その後、記録媒体の技術進展により、ハードディスドライブ(HDD)での保存が可能となり、保存できる容量も飛躍的に向上し、ワープロからPCへと移行したことによってネットワーク化も可能となった。その結果、データ類はサーバに保存ができ、情報を共有化することもでるようになったのである。

2.データの整理の仕方

  いろいろ集めたせっかくの資料は、ただ単に分類して保存するのでなく、その資料を活用して整理しておくことも必要ではないかと思う。情報整理の必要性がここにある。つまり、自分が「将来、必要となってくるだろう」と予想した情報を、うまく時系列に体系化しておくことが重要なのである。

 その方法としては、情報の主なポイントだけを記載する、というものでも構わないだろう。個条書き形式で時系列に書き込んでおくだけであっても、数年もすれば、その体系化した情報は活きてくるものである。一度、実践してみるとその良さが理解できるかと思う。

(1)表計算ソフトの活用

 筆者は、新しい情報に遭遇して、「これは将来、役に立つだろう」と考えると、まずは表計算ソフトのファイルを作成し、なんでも情報を書き込むようにしている。

 すでに、分野別に作成したファイル数は6,200以上にも及び、その容量も5.5GBとなっている。なお、これは表計算ソフトのファイル数であって、ファイルとしてはワークシートも作成しているため、実際のファイル数はさらに多くある。

 しかし、ファイル数は膨大ではあるが、必要とするファイルは瞬時に検索することができ、探し出すことができる。印刷した文書から探し出すとなると6,200以上もある中から探し出すのは大変だが、デジタル化しているため、瞬時に探し出せるのである。まさに、IT機器の発展のおかげである。なお検索は、『題名』で検索するのではなく、『用語』で検索するため、本文の中にあるものを検索対象としている。

(2)検索ソフト

写真3 『秀丸』にある『grep検索』

  表計算ソフトで情報整理したファイルも次第に増加し、分野別のフォルダを作成して保存したものの、それでも次第に、必要とするファイルを見つけるのに苦労するようになった。そこで、テキストエディタである『秀丸』に付属している『grep検索』機能2)を使って、PCのHDDに保存された資料の検索を実施するようにしたところ、ファイルの検索問題は解消した(写真3)。

 最近では、さらに高速で検索できる『Everything』3)や、『探三郎』4)などのすぐれたインデックス型の検索ソフトがあり、これらも愛用している。このような便利なフリーソフトを活用することによって瞬時に必要とするファイルをPCのHDDから探しあてることができる。したがって、PCのHDD内に保存してあるファイルが、膨大であってもまったく問題はないのである。ちなみに筆者のネットPCのHDDは160GBから1TBに改装し、6,200以上のエクセルのファイル以外にも関連資料として約17万ファイル(容量 約440GB)が保存されている。このような大容量の資料の中から前述の検索ソフトを使用すれば瞬時に検索結果が得られる。

(3)整理時間の捻出

 さて、情報を整理するにはそれなりの時間が必要となってくる。時間は作らない限り、自然とわいてはこない。筆者は常時、ネットPCを持ち歩き、時間を作って情報整理に努めている。

 ●整理に必要な時間

  ○整理するには、それなりの時間が必要
  ○時間を作って、整理にあてるのが重要
  ○ノートPCを持ち歩けば、移動時間も活用できるし、待ち時間を使って整理の時間を捻出することが可能となる(例:空港、駅などでの待ち時間、通勤時間)
  ○PCを使用できる場所が、『書斎』となる
  ○メモ用紙などを活用してポイントとなるものを書きとめ、そのデータを反映する

(4)情報整理の実践

写真4 Lotus123搭載日本語ワープロ(東芝 Rupo JW-98A)

  整理の一例を紹介しよう。筆者はワープロ時代にロータス123が搭載された日本語ワープロ(写真4)を愛用したことから、PC派に移行する前から表計算ソフトを使う環境にあった。

 表計算ソフトのすぐれた点は、表を一度組んでいると、以降、必要となれば簡単かつ自由に『行』『列』を追加できることである。さらにその『行』『列』の幅は自由に拡大、縮小ができ、数値があれば計算式を入れておけば自動計算されることも大きな魅力であった。

 このような便利さにみせられて、『情報整理』には表計算ソフトを使うようになった。最初は、日本語ワープロに搭載されていたロータス123を使用した。並行してPCも使い始めていた時期であったものの、PCを使いこなすにはある程度の知識がないとできないという難点があった。そのため、使い勝手の良いロータス123搭載日本語ワープロで表計算ソフトに慣れ親しんだ。簡単なマクロ機能も覚えた。

 しばらくすると、日本語ワープロにHDDが搭載されて大量に資料を保存することが可能となった。当時主流であった記憶媒体のFDD1枚には、0.72MB(2DD)/1.44MB(2HD)しか保存できなかった点から比べれば、大きな進歩であった。FDD保存からHDD保存へと移行していった。この時点で、整理方法が激変した。しばらくすると家庭用ワープロでも360MBのHDD搭載機種も登場した。

 

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