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2013.12.27
下水道処理場は『都市鉱山』となるか?
ちょっと途中下車 200駅目

1949年の英国の映画に『第三の男』がある。今も名画として楽しませてくれるこの『第三の男』における、ハリー・ライム(オーソン・ウエルズ)の有名な追跡シーンは、オーストリアのウィーンの下水道の中で撮影されたという。

 映画の追跡シーンや逃亡シーンにはときおり、下水道が登場する。しかし、下水道は一般の人は中には入れず様子を伺うことができないので、普段は下水道に関しては想像するしかない。

 下水道の歴史をひも解くと、紀元前5000年頃にはメソポタミアの都市国家群で排水溝が築造されていたいう。紀元前600年頃、ローマで下水道が完成している。すでに排水することを考えていたのである。

 産業革命以後、人々が都市に集中するようになり、都市人口の増加に伴い、汚物が街路に投棄されるようになったという。

 し尿の処理に困り、し尿が道路や庭に捨てられるようになったため、都市は人口増加とともにますます不衛生な状態となった。ヨーロッパの家の後ろの路地は、汚物の散乱によってとても歩けるものではなかったという。 イギリスのロンドンでは、テームズ川に直接流していた下水を、1855年から下水道工事に着手し、新たに造った下水道を通して市街地から下流のテームズ川に流すようになり、状況が改善された。

 その後、微生物を利用した下水処理法が開発され、汚れた水を清浄にしてから河川などに流すことができるようになった。

 さて、日本では、645年の大化元年の難波宮遷都で排水溝が築造されているのである。そして、1583年、大坂城築城に伴い城下町に太閤下水(背割下水)が建設され、現在も使用されている。1871年になると横浜で陶製管下水道が設置された。

 日本の下水道普及率は、2009年でまだ約73%程度であるという。なおオランダにおいては98%にもなり、イギリスが97%、ドイツが95%となっている。

 下水処理場には多量の下水汚泥が発生する。困った下水汚泥である。ところが、この下水汚泥の焼却灰などの中から高濃度の『金』が含有していることが判明したのである。長野県諏訪市の流域下水道豊田終末処理場(愛称:クリーンレイク諏訪)での出来事である。

 この処理場は、諏訪湖や天竜川及び諏訪湖に流入する河川の水質の保全と地域住民の生活環境改善のために1971年に事業に着手して、197910月一部供用開始したもので、19939月から諏訪地域全市町村において供用開始された諏訪湖流域下水道の終末処理場施設となっている。つまり下水処理場なのである。


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