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テクニカルレポート
2025.12.19
第37回 長野実装フォーラム
“Chiplet, AI時代の先端実装技術”を考える
長野実装フォーラム
理事 千野 満、 大西 哲也、 手塚 佳夫、 若林 信一

③講演の内容

1.『未来を創る最先端半導体パッケージング技術』と題して、新光電気工業(株)上席執行役員 開発統括部長 荒木康氏から、先端半導体パッケージ基板開発動向、有機RDL付きFC-BGA基板2.3D、 i-THOP、ガラスコア基板開発、光電融合パッケージについて講演があった。有機・ガラス基板を用いた実装技術、光電融合技術など多岐にわたる先端パッケージ技術への取り組みが解説され、現状の課題と今後の方向性が明確に示された講演であった。ガラスコア基板や小径ビアなど実装上の課題と解決策、企業としての開発姿勢に多くの参加者が感銘を受けた。CPO(Co-Packaged Optics)など次世代技術への展開にも関心が寄せられた

2.『エレクトロニクス実装におけるインターコネクション技術の最新動向 〜チップレットでの接合、低温接合、高耐熱接合 〜』と題して、(有)エイチ・ティー・オー 代表 大熊秀雄氏から、エレクトロニクス実装技術における様々なインターコネクション技術の重要性などについての講演があった。

参加者からは、長年の経験に基づいた包括的な実装技術の解説で、はんだ接合や低温実装など幅広い知見を共有できた。また、その内容の広さと情報量の多さに圧倒されながら、研究・製造双方の現場に根ざした話として高く評価された。また、続編を望む意見も目立った。

3.『Cu-Cu ハイブリッドボンディングの課題』と題して、東京大学名誉教授・明星大学連携研究センター 主幹研究員 須賀唯知先生から、3D集積の切り札として採用が増えているハイブリッドボンディングの現況、ハイブリッドボンディングの用途、ハイブリッドボンディングのメカニズム、接合の低温化、といったハイブリッドボンディングの持つ基本的な課題と解決策、ハイブリッドボンディングの可能性についての講演があった。常温接合をはじめとする接合技術の原理・原則を科学的視点から深く掘り下げ、ハイブリッドボンディングへの否定的な意見に対する考察も交えた示唆に富む講演であった。表面活性化接合や金属拡散などのメカニズムが基礎から解説され、参加者の理解が大きく深まった。また、研究的アプローチと産業応用の両面からの洞察が高く評価された。

4.『CHIPS法関連のパッケージング技術ロードマップの考察』と題して、インターコネクション・テクノロジーズ(株) 代表取締役 宇都宮久修氏から、 半導体10カ年計画、MAPTロードマップ、MRHIEPロードマップ、EES2ロードマップの説明とともに、データセンターでの電力消費動向、エネルギー変換効率、銅に代わる導体、ビット当たりのエネルギー(Energy/bit: EPB)効率の改善、といった重要な事項についての講演がなされた。

参加者からはCHIPS法やMAPT、SRCなど米国の半導体政策と技術ロードマップを通じ、世界的な開発動向と日本の立ち位置を整理した講演と好評であった。また、ヘテロジニアス統合やエネルギー効率など今後の産業戦略としての方向性を示唆するものであり、複雑な国際動向をわかりやすく解説し、理解を深めたとの声が多く寄せられた。

上記の講演を終了した後、今回はスペシャルゲストとしてお出でいただいた、信州大学工学部 香山瑞恵工学部長より、信州大学に「次世代半導体システム教育研究センター」が開設されたこと、また、このセンターを運営母体とする半導体人材育成や、特に後工程(実装技術)の研究開発を目的とするコンソーシアム設立の計画について紹介と参加呼びかけがあった。後日の発表で、このコンソーシアムには新光電気工業、SUMCO、住友電工など県内外の会社の参加が予定されている。長野実装フォーラムとの連携も期待される。

このように参加者の皆さんにも満足のいくフォーラムになり、交流会にも多くの方が参加し、スペシャルゲストの香山瑞恵学部長も交え活発な議論と懇親が深まった。実装技術の未来を見据えた展開に話が弾んだ(写真4)。

写真4 NJFフォーラム講師、ゲストと理事

 

④長野実装フォーラムとは

「長野実装フォーラム」は、エレクトロニクス実装技術の発展を目指す団体で、実装技術に関する講演会(フォーラム)の開催、会社見学、技術情報の発行・配布、その他の活動を行っている。特に実装技術を中核とする「ものづくり」を目標としたテーマを中心に取り上げている。

当フォーラムは講演を一方的に聞くだけでなく、質疑時間も長く取り、コーディネータが講演の後に、ポイントの確認や整理、興味のある点をさらに明確にし、参加者の理解を深めるよう運営しており、分かりやすいと評判である。フォーラムへは長野県内に留まらず、関東圏や広く全国から多くの参加者がある。

「長野実装フォーラム」は1999年7月に長野県工科短期大学校の半導体・実装技術研究会としてスタートし、2007年からは「長野実装フォーラム」として再スタート。2009年からは「よくわかる実装技術講座」も開催している。2015年からは長野県テクノ財団(現、長野県産業振興機構)の支援も得て活動している。

代表理事 は若林信一、他に実装技術分野では世界的にも実力のある理事計15名が企画、運営などを担当している。

この長野実装フォーラムは、今後も継続的に開催予定であり、参加者全員で議論を交わしていきたい。

 

<長野実装フォーラムのWEBサイト>

https://www.nagano-jisso.com/

※問い合わせフォームからメールアドレス登録すると、次回以降の開催案内が配信される。

会社名
長野実装フォーラム
所在地