はじめに
図1 ヤマハ大型異形部品対応コンパクトモジュラ YC8
昨今、日本国内では円高、電力不安といった『六重苦』が叫ばれ、国内の製造業が海外シフトを進める一方で、海外、特に中国では人件費の高騰、労働力不足などから製造工程の自動化のニーズが高まっている。
また、スマートフォンやタブレットPCといったモバイル情報機器やEV、HEV車で使われる制御機器などの電子・電気製品では、一部に小型軽量化が困難、または組立上挿入、圧入が必要な部品が存在し、これら工程の自動化への対応も必要である。
『YC8』は、SMT工程で培われた技術、資産を流用し、SMT部品実装から、ディスクリート部品、大型部品などの混載実装、挿入圧入実装工程への対応を可能とし、複雑化した市場ニーズに応えるため、新たにプラットホームを新規開発し、コンパクト、低価格でありながら、使いやすさなどをそのままに、高い部品対応力を備えた大型・異形対応コンパクトモジュラとして開発された(図1)。
本稿では、『YC8』の特徴を中心に弊社の技術動向を説明する。
『YC8』の特徴
1.『部品対応力』
大型背高部品に対応するために、ヘッド部とカメラ部の構成を工夫、部品サイズ□100mmまで、部品高さ45mmまでの対応力を実現した(図2)。
図2 幅広い部品対応力
部品搭載精度も従来マウンタの技術を踏襲し、同等のμ+3σで50μmを実現、QFP208ピン×0.5mmピッチ部品までの搭載を可能としている。
ヘッド部には基板マーク認識カメラを中央に配し、上下に移動できる構成とし、背高部品搭載時への対応を可能とする一方、基板上の様々な高さでのマークの認識を可能とし、基板のみならず、トレイ、部品などの認識位置補正を可能としている(図3)。
また、ヘッド上下駆動にはボールねじを採用、大きな推力を発生できる構造とし、また推力のコントロールをすることで挿入部品の荷重制御、挿入可否の判断を可能とする。
トレイ部品供給には15パレット、背高部品対応できるパレットとした供給装置を装備可能とし、大型コネクタなどのトレイ対応を実現した。また、薄型軽量設計と高速安定供給性能で好評を得ているテープ部品供給用電動フィーダも使用可能である。8mmテープ?幅104mm、深さ24mmエンボステープ部品までの対応を可能としている(図4)。
図3 ヘッド・カメラ部
図4 電動(ZS、SS)フィーダ
- 会社名
- ヤマハ発動機(株)
- 所在地
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