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テクニカルレポート
2016.05.25
半導体/パッケージ/プリント基板のシステムレベル協調設計
(株)図研

 

JEITA LPB相互設計WG(ワーキンググループ)への取り組み

  当社は一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)のLPB相互設計WGに参加し、ユーザや他社EDAベンダと共にJEITA LPB標準フォーマットの標準化作業や広報活動に取り組んでいる。

 このWGでは、達成すべき目的を設計及び検証の情報流通改善と定め、解析精度の向上、解析品質向上、コスト対性能比の最適化、設計準備期間の短縮、設計者間のコミュニケーションミス削減などの顧客メリットを狙っている。

 なお、JEITA LPB標準フォーマットは5つのファーマットから構成されており、Design Forceでも段階的に対応する予定である(図2)。

図2 JEITA LPB標準フォーマットの5つのファイル

  また当社は、社団法人 日本電子回路工業会(JPCA)の 部品内蔵基板規格部会に参加し、部品内蔵基板やSiPなど3次元実装に対応したCAD設計データフォーマットの規格化(JPCA EB02)に取り組んでいる。

 スマートフォンやタブレット端末などの高機能な機器ではアクティブデバイス/パッシブデバイスを内蔵した部品内蔵基板の技術の普及が期待されているが、3次元構造を表現できる共通データフォーマットがないため、製造/検査時の不具合要因特定や、情報のフィードバックなどがスムーズに行われないといった課題があった。本取り組みでは、製造/検査部門と設計部門、設計部門と解析部門の壁を取り払い、連携を良くし、歩留まり向上や製造性/検査性の向上を狙っている(図3)。

 現在、edition2に向けて実証実験中である。

図3 3次元表現による内層実装部品設計の効率化

構想設計

  製品設計を行う際、システム全体の構成や構造をラフに検討し、工数やコストを見積もる必要がある。また場合によっては、この検討内容を社内提案やビジネス提案に活用することもあるだろう。

 CR-8000シリーズのSystemPlannerでは、詳細設計に入る前の製品企画検討段階でファンクションブロック、パッケージ、モジュール、プリント基板などのデザインパーティショニングを行う機能開発に取り組んでいる。

 この構想設計の結果をDesignForceにドラック&ドロップするだけで、詳細設計に移行することが可能になる(図4)。

図4 構想設計と詳細設計

Boundary Freeへのチャンレンジ

  半導体/パッケージ/プリント基板協調設計は、CR-8000のめざすバウンダリーフリーのひとつの事例にすぎない。CR-8000は、回路設計者と基板設計者の壁、ブランドメーカーとEMSの壁、電気設計とメカ設計の壁など、さまざまな壁を取り払い、次世代に適合する新たな設計プロセスとグローバルな分業形態の構築に貢献していく。ぜひご期待いただきたい。

 

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(株)図研
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