3. ムーアの法則を実現した微細化の進展
IBMのロバート・デナード氏は、1974年にMOSトランジスタの比例縮小則(Scaling Rule)を発表し、微細化により性能が上がり集積度が増すことを示した。この比例縮小則が指導原理となって、微細化競争が50年近く続いている。
これによると、「トランジスタのパターン寸法を仮に0.7倍に縮小すると、集積度は2倍、動作速度は1.4倍、消費電力は1/2となり、図4のように微細化の世代ごとに集積度も性能も向上し、微細化して悪いことはなにもない。このため業界を挙げて微細化競争となり、21世紀になってパターン寸法はナノメーターになり、今や図5のように10nmのCMOSLSIが生産され、更に5nmや3nmを開発するという声も聞こえている。まさに「ムーアの法則」がますます進んでいるといえる。
図4 比例縮小則で、MOSトランジスタが縮小される様子
図5 LSI微細化の経過と今後の予測
4. 微細化に伴う問題点
MOSトランジスタの寸法を微細化することにより、性能も集積度も向上してきたが、微細になると駆動電流(IDSAT)を大きくとることが難しくなってきた。駆動電流は、図6の式で表され、これを大きくするには、チャンネル幅(W)を大きく、実効的移動度(μeff)を大きく、酸化膜容量(COX)を大きく、ゲート電圧(Vg)を大きく、チャンネル長(L)を小さくすれば良いことが式から読み取れ、このため涙ぐましい努力が行われている。
図6 MOSの駆動電流の式と静特性グラフ
順調に微細化が進んでいたCMOSLSIも、2000年ごろの100nm付近を境にして、単にパターンを微細化するだけでは性能の向上が図れなくなり、多くの弊害があらわれるようになった。
代表的な問題点を表1に列記したが、それぞれについて次号で詳細を取り上げる。
表1 CMOSLSIの微細化に伴い発生した諸問題
- 会社名
- 厚木エレクトロニクス
- 所在地
-
真空リフロー、N2リフロー、エアリフローのことなら、エイテックテクトロン(株)にお任せください。フラックスレス真空リフロー装置販売開始!エイテックテクトロン株式会社
-
アレムコの導電性/熱伝導性接着剤,コーティング材,グリースのことなら(株)エス・エス・アイ株式会社エス・エスアイ
-
独自の加工技術とノウハウで様々な材料にチャレンジ 〜色々なアイデアを生み出して研究者をサポート〜 ムソー工業株式会社 代表取締役 尾針 徹治 氏Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社
-
SEMICON Japan 2023 2023年12月13日(水)〜15日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて、半導体を中心としたマイクロエレクトロニクスの製造を支える装置/材料産業の総合イベントであるSEMICON Japan 2023が開催された。Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社