③他システムとの比較
表1に、しばしば比較に出される枚葉スプレー・バッチ浸漬噴流の各方式との比較を示した。バッチスプレーはシングルチャンバで様々なプロセスが実現できるため、占有面積は非常に小さい(Siconnex社装置はマニュアル装置の場合約1.2×2.0m)。本稿で示した通り、洗浄性は浸漬噴流方式より高く、スループットは枚葉処理より多いという、ちょうど各方式の中間を埋める「痒い所に手が届く」方式と言える。化学品消費量については別文献2)をご参照いただきたいが、システム上大きく減らすことが可能であり、サステナビリティが重要となってくる今後の半導体製造の現場において、大きな助けとなることは言うまでもない。
ただし、プロセス設計には注意を要する。従来からある酸化物やメタルの単純なエッチングであればそれほど複雑ではないものの、オゾンプロセス、percTMプロセス3)などを活用し化学品使用量の低減を検討する場合には様々なノウハウが必要となり、ハードウェアがあればいいというわけにはいかない。そのため特にバッチスプレー装置・プロセスに習熟しているサプライヤ選定が鍵となる。
④まとめ
バッチスプレー方式には様々な優位点があるが、前項で述べた通り、プロセスを熟知しているサプライヤを選ぶことが重要である。Siconnexは洗浄・ウエットエッチング・レジスト剝離プロセスに幅広く実績があるが、特にパワー半導体、アナログ、ディスクリート、MEMSなど、先端ロジック・メモリ以外の分野を得意としている。12月11日より開催されるセミコンジャパン展示会ではブース番号3014に出展しているため、ウエハのウエットプロセス導入を検討される際にはぜひ一度ご相談いただきたい(写真1)。
<参考文献>
1)小宮山 宏、速度論 朝倉書店 1990 p.33-34
2)八尋 大輔、“化学品消費量を削減するサステナブルなウエハ洗浄” クリーンテクノロジー 2024.12月号 p.14-17
3)八尋 大輔、“ウエハからのドライエッチング後ポリマー残渣除去” エレクトロニクス実装技術 2024.8月号 p.40-43
4)Semiジャーナル、“半導体洗浄工程とは? 洗浄装置の構成と種類”
Semiジャーナル
(accessed 2024-10-11)
5)Kern, Werner、“Overview and Evolution of Silicon Wafer Cleaning Technology”.
Handbook of Silicon Wafer Cleaning Technology.
Elsevier Science, 2018. p.3-85
6)白水 好美、“パターン倒壊を防ぐ洗浄とクリーン化最新動向
”迫りくるAI時代に向けた半導体製造プロセスの今
情報機構 2019 259p
- 会社名
- Siconnex Japan合同会社
- 所在地
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