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スペシャルインタビュー
2022.07.05
パワーと性能をさらに向上した一体型ACサーボシステム
〜視点を変え時代にマッチする新モデルを発表〜
マッスル株式会社
代表取締役社長 玉井 博文 氏

■『COOL MUSCLE 3』シリーズの特徴などについてお聞かせください

 

玉井 : 『COOL MUSCLE 3』シリーズは、『COOL MUSCLE 3』と『COOL MUSCLE 3+』の2つのモデルをラインアップしています。

『COOL MUSCLE 3』は、より安価にサーボモータ相当の性能を実現していただけるモデルで、モータの機能をシンプルにして必要最低限の機能だけを搭載し、上位システムから指令を受けるモデルになっています。価格は標準的なサーボモータの5割程度に設定しています。『COOL MUSCLE 3+』ついては、『COOL MUSCLE 3』の基本性能に新たな機能を色々と+(プラス)しており、専門のエンジニアの方には非常に使いやすいモデルで、多軸制御やPLCのようなロジックプログラム機能などが搭載され、よりカスタム性の高い高機能モータとなっています。

また『COOL MUSCLE 3』は、サーボモータの性能をステッピングモータ並みの手軽さで実現することを目指し開発しており、非常に使い勝手の良い製品になっています(図1)。特徴としては、「クローズドループ制御」、「ベクトル制御」、「クールドライブ制御」といった3つの制御技術を採用していることが挙げられます。

図1 既存モータと『COOL MUSCLE 3』の性能比較

 

 

「クローズドループ制御」は、常時位置監視による高い位置決めと脱調レスを実現します。「クローズドループ制御」により、エンコーダからのフィードバック情報と、回転命令の差が指定した偏差以内になるように動作していきます。また、偏差量が多くなると加速し、少なくなると減速しながら、常に位置/速度/トルクが指定値から離れないように制御します。

「ベクトル制御」は、ステップ角ごとの脈動を抑えて、なめらか/静音化を実現します。ステッピングモータは構造上、ステップ角ごとにトルクに脈動が発生しますが、『COOL MUSCLE 3』は「ベクトル制御」を採用しているため、角ステップ間の脈動を抑え、なめらかに制御することで振動や騒音の低減を可能にします(図2)。

図2 駆動の動作原理

 

 

「クールドライブ制御」は、新しいドライブ方式で、発熱を抑えながらパワーを引き出すことができます。モータの構造を見直し、制御を最適化することにより、『COOL MUSCLE 1』のサイズはそのままに大幅なトルクアップを実現しています(図3)。

図3 『COOL MUSCLE 1』とのトルク比較

 

 

これらの制御技術の連動が、『COOL MUSCLE 3』を評価していただける1つのポイントになっていると思っています。

『COOL MUSCLE 3』のターゲット層としては、サーボモータからの置き換えもそうですが、機能面ではそれほど高精度のものを求めず、できるだけ安価に抑えたいという方々を対象にしたモデルになっています。また『COOL MUSCLE 3+』については、機能が充実してソフトウエアのつくり込みから本格的にやっていきたいといった方々を対象にしたモデルになっています。

これは、このような2極化したパターンのニーズが世界には存在することを知り、それに対応する形で2つのモデルを用意しています。

会社名
マッスル株式会社
所在地
大阪市中央区