電子/電気機器の表面実装からユニット、筐体組み立てなどを提案する電子事業部と、環境関連製品を提案する環境事業部で事業を展開する株式会社堀内製作所。今回は、環境事業部で新たな主力製品として開発した抗菌ライトにスポットを当て、同社の概要や製品の技術/特徴などについて、代表取締役 堀内 実 氏にお話を伺った。
■御社の沿革および事業内容などについてお聞かせください
堀内 : 当社は、1980年10月に電子機器の簡単な組み立て作業を行う目的で、山梨市の自宅の一角(約33m2)を利用して創業しました。私自身、色々とアイデアを出すことが好きで、以前勤めていた会社でも開発などに携わりながら色々と提案し、会社の規模拡大に貢献していました。そのような中で、30歳の時に新たなチャレンジの場として独立を考えたのが、当社を起業したきっかけになっています。
創業時、従業員は私1人で、作業は内職にお願いするような形を取っており、当時で62件程の内職先に朝から晩まで回り歩いて、組み立てたものをメーカーに納品していました。
そして1983年10月には、プリント基板の実装や組み立て作業の依頼も受けるようになり、手狭になってきたので自宅敷地内に作業を行う工場を増改築(一部二階建て155m2)しています。また1996年8月には、同じく自宅敷地内にSMTライン専用の工場を新築(90m2)し、稼働を開始しています。
その後、実装業界での鉛フリー化が進む中、当社もそれに対応するため、2005年8月に現在の所在地である山梨市落合に本社工場を移転し、設備導入を図っています。これは、地元の信用金庫が全面的にバックアップしていただけるという提案を受け実現したことで、この時、実は自己資金がほとんどなく、移転や設備導入にも「本当に行っていいものか」と色々悩んでいました。ただ、実際に行っていなければ今の当社は存在していなかったと思うので、結果的に判断は間違っていなかったと思っています。
そして2011年9月には、プリント基板の実装や組み立て作業以外を取り扱う外販部門を新設しています。この外販部門は、1本柱であったプリント基板関連の事業以外に、海外展開も視野に入れ、何か次の柱となる事業を模索する目的で始めた取り組みになります。私自身、以前から環境に興味があったので、LED照明や生ごみ処理機など、省エネにつながる製品を中心に取り扱っていきました。
2013年7月からは、現在新たな柱となりつつある抗菌ライトの取り扱いをスタートさせています。設置するだけで、インフルエンザやノロウイルスなどを殺菌する効果が見込めるのですが、当初はなかなか信じてもらえませんでした。ただ、一度設置してもらうと良さが分かっていただけ、徐々に保育園や病院、介護施設などに広がっていきました。
2014年9月には、プリント基板関連の事業を「電子事業部」、環境関連製品を取り扱う外販部門を「環境事業部」と名称変更し、事業の拡張を行っています。そして2018年4月には法人登記を行い、社名を現在の株式会社堀内製作所にしています。事業の割合としては、まだまだ電子事業部が売り上げの大半を占めていますが、環境事業部も徐々に注目され始めており、特に抗菌ライトは当社の主力製品として幅広く展開を進めています。
■御社の抗菌ライトについて、開発の経緯や仕組みなどをお聞かせください
堀内 : 当社の抗菌ライトには、LEDではなくCCFL(冷陰電極管)を採用しており、この技術は当社が新規で開発したものではなく、台湾と日本のある企業が共同で開発した技術がベースとなっています。以前に、そのCCFLを採用して製品化されたようですが、あまり普及しなかったため、当社に相談に来られたのが新たな開発のきっかけになっています。
当社では、そのベースとなる技術でつくられた抗菌ライトのカバーに、ナノイオンを発生させる「ナノシルバー」と、光触媒効果を活性化する「酸化チタン」を何層にも均一に表面コートし、抗菌層をつくっています。この表面コートする液自体もポイントになりますが、独自の抗菌層をつくることが以前製品化されたものとの大きな違いになっており、そこが当社独自のノウハウにもなっています。
この抗菌層に、抗菌ライト内のCCFLから発せられる電気と光が作用し、抗菌効果を発揮させます(写真1)。具体的に説明すると、表面コートされている「ナノシルバー」は、インフルエンザやノロウイルスなど650種類以上の病原体に効果的で、殺菌/消臭/防カビ効果を発揮します。また「酸化チタン」は、外光または紫外線を吸収することにより、触媒反応が起こり活性酸素をつくり出します。この活性酸素が、汚れや細菌などの有機物を包み込んで酸化分解することにより、空気清浄にも効果的で室内環境をきれいに整えてくれます。
しかし、このように口頭で説明するだけでは、なかなか信用していただけないのが現状で、実際に使っていただけると効果があったと信じていただけますが、やはり確固たる裏付けがないとお客様を納得されるのは困難な状況です。
そのため当社では、国際標準規格であるISO/IEC 17025の認定機関に試験を依頼しています。日本国内では、4ヵ所ほどしかありませんが、中国や台湾の機関にも依頼し、エビデンス(試験報告書)を作成していただいています。この試験には、費用もかなり掛かっていますが、やはり「安心/安全」といった物証は必要だと考えているので、このエビデンスが裏付けとなり、お客様にも納得して使っていただけるようになりました。
最近では、徐々に浸透していき、国内だけでなく中国や台湾などからも問い合わせをいただいています。
- 会社名
- 株式会社 堀内製作所
- 所在地
- 山梨県山梨市
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