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スペシャルインタビュー
2023.06.15
様々な製造現場の自動化に貢献する新たなブランドを立ち上げ
〜ものづくりの経験値を活かしたAIソリューションを提供〜
株式会社 テクニカ
代表取締役社長 比留間 良太 氏

■それでは、新たにリリースされた『AI画像認識ソフトウエアシリーズ』について、特徴などをお聞かせください

 

比留間 : このソフトウエアパッケージは、「誰でも簡単に外観検査の自動化を実施できる」をコンセプトに開発した製品です。

昨今の人手不足や省人化/コストダウン促進の影響により、製造業における外観検査の自動化が急務となっています。その反面、従来の外観検査装置導入による自動化は、設備導入の費用が高額、良品/不良品のしきい値設定が困難などといった課題があります。この製品は、技術者の方でなくても、簡単に学習済みAIモデルが作成可能な画像認識ソフトウエアで、既存の検査装置にも導入できる仕組みになっています。

お客様の用途に合わせて、3つの学習ソフトから選択していただき(写真4)、対応可能な不良種としては、きず、穴、焼け、さび、汚れなどで、材質としては、金属、プラスチック/樹脂、ガラス、革、布、繊維などが挙げられます。

写真4 3つの学習ソフトの一覧表

 

現状の導入先としては、例えばロット数の少ない一品ものの装置を組んでいる設計会社に実績があり、今ある既存の検査にAIを被せていきたいということで当社に引き合いをいただきました。他社に依頼すると毎回開発費が発生するため、自社で開発したいということから採用していただいています。

また、生産技術に携わる方から、自社の工場内で自動化を進めているが、どうしても目視検査が残っているので、自分たちでやってみたいということから引き合いをいただくケースもあります。さらに、製造業以外からの引き合いもいただいており、先日は農業関連の方から収集物の大きさによるランク分けや、きずや汚れによる選別などを行いたいといったお話もありました。

このように、今まで目視で行っていた検査や作業を自動化したいというニーズが非常に多く、この製品で対応しきれない案件については、受託開発を含めて我々で色々とお手伝いしていきたいと思っています。

 

■今後の展開についてお聞かせください

 

比留間 : 今まで色々とAIの開発を行ってきましたが、現場に導入するためには、AIに対して取得したデータによる教育が必要でした。今後はそうではなく、先程の農業関連を例に出すと、例えば白菜のことならどんなパラメータでももっているような特化型のAIを開発していきたいと考えています。

農家の方が、野菜の識別をするAIを導入したいという時に、自分たちでデータを取得していくのは非常に手間が掛かり、面倒だと思います。そのような時に、すでに大量のデータを保有しているAIがあれば、それを提案することでスピーディーに対応が可能になります。また、そのデータをどんどん増やしていくことで、AI自体の精度も高まっていきます。

例えば1社から1000個のデータを取得できるとすれば、10社集まれば10000個のデータが取得できることになり、精度もどんどん上がります。我々は、ハードウエアからすべて対応できるのでそのための専用機を用意し、検査する前にそこを通してもらえばデータが集まるので、そのデータを我々の方でAIに学習させていけば、それぞれの野菜に特化したAIが開発できると考えています。

ただ、どのパラメータをもたせるのか、大きさなのか色なのかということは専門家でなくてはわからないですし、そもそも専門家がその情報を流してくれないと意味がないので、そのような専門業者とタイアップして1つの特化したAIを開発していければ、ちょっと面白いかなと思っています。そして、それを1つの仕組みにすることにより、様々な分野に応用していけると思いますし、新たな事業に発展するきっかけになっていくのではと期待しています。

昨今、AIの普及が進む中で中小企業においては、まだまだAIに対して敷居が高いというイメージが強くあるように感じています。これは、AIに限らずIoTなどでもよいのですが、我々は中小企業の製造業に対して、進化させていきたいという思いが強くあり、そのためにはすべてをもっと簡単にする必要があると考えています。

特化型のAIというのは、そのための1つの手段だと捉えており、このような最新技術の導入で自動化が進むことにより、製造現場も新たな進化を遂げていけると思っています。

我々は、今後もそのお手伝いに尽力していきたいと考えています。

 

本日はお忙しい中ありがとうございました。

会社名
株式会社 テクニカ
所在地
東京都西多摩郡瑞穂町