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スペシャルインタビュー
2022.01.15
循環型社会への構築に貢献する環境関連装置
〜効率的なリサイクルシステムを実現〜
株式会社共立
代表取締役社長 上野 賢美 氏

■御社の環境関連製品についてお聞かせ下さい

 

上野:当社の環境関連製品は、効率的なリサイクルシステムを実現するために様々な使用環境を想定し、コア技術となる圧力/真空/遠心技術を融合させ、どのような使われ方をしても壊れない丈夫でシンプルな構造の製品をラインアップしています。

最近の開発製品で、従来のフィルタプレス脱水機と比べ、高効率脱水を実現した高圧真空ハイパワー脱水機(写真3)は、油圧プレスによる50kg/cm2の加圧で対象廃液を汚泥圧力すると共に真空ポンプの水分吸引の相乗効果により、短時間高圧脱水を可能にしました。廃液となる汚泥は、低含水率の固形化されたケーキとなり大幅な減容化を実現し、対象汚泥によっては燃料などの資源化も可能です。また、低含水に脱水されたケーキは水分が少ないため、加熱乾燥の際に熱エネルギーコストの削減が可能になり、ケーキは運搬も容易に行えるので運搬費の節約にも貢献します。

破砕分別機(写真4)は、飼料化システム、メタン発酵システムの前処理機として、食品残渣とその他包装材や異物と分別し、リサイクルするための装置です。重量比、かさ比重90%以上の分別率を実現し、コンパクトなサイズながらスピーディーに大量処理します。生ごみと包装材の分別だけでなく、缶詰と中身、ペットボトルのキャップとラベルと本体、自動車などの合わせガラスの分別など、広い用途で活用されています。

写真3 高圧真空ハイパワー脱水機

写真4 破砕分別機

 

間接加熱方式の常圧乾燥機(写真5)は、シンプルかつコンパクトな設備を実現し、乾燥機本体内で粉砕と乾燥を同時に行うため、短時間で効率よく減容します。従来、乾燥が難しいとされていた糖度の高いものやでんぷん質、油分の多い食品残渣などの乾燥も可能です。負圧密閉方式で粉塵や臭いが漏れず、蒸気による間接加熱方式のため火災の心配もありません。乾燥物によっては肥/飼料など再資源原料として使用されています。

バイオマスボイラー(写真6)は、生ごみなど(バイオマス)の粒状乾燥物を燃焼させて過熱蒸気を生成し、乾燥や加温等に利用する小型貫流ボイラです。

当社の環境関連装置は、廃棄物の内容や処理量、設置スペースなど、個々の状況に合わせた完全オーダメイドシステムで提案しています。当社独自の技術やノウハウを駆使して、入口から出口までを設計/製造する一貫生産体制により、お客様のニーズに対応したシステムを提供しています。

写真5 常圧乾燥機

写真6 バイオマスボイラー

 

■今後の展開についてお聞かせ下さい

 

上野:今までは、どちらかというと大規模なシステムをリサイクル業者さんの要望に応える形で製品開発していましたが、私どもも色々と実績を積んできましたので、そろそろ私どもから提案する形で製品開発や営業を行っていく時期だと考えています。

最近では、大規模なシステムだけでなく、ホテルや食品工場などで使用される小型の食品残渣処理装置も手掛けています。この装置は、生ごみを入れてから乾燥までを全自動で行え、誰でも簡単に操作できます。現状導入したホテルでも高い評価をいただいていますので、今後は、このようなコストを抑えた小型装置の開発にも力を入れて、農家などでも気軽に導入できるようにしていき、自給自足で飼肥料も賄っていくことにより、トータルコストも抑えられるような提案を進めていく予定です。

また、食品のリサイクルに関してもおからやジュースの搾りかすだけなく、食品廃棄物で再利用できるものはまだまだいくらでもあると思います。これからも産学官などの連携を通じて、様々な食材を使った案件にチャレンジしていき、循環型社会への構築に貢献できるような取り組みを提案していきたいと考えています。

 

本日はお忙しい中ありがとうございました。

会社名
株式会社共立
所在地
神奈川県相模原市