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スペシャルインタビュー
2022.07.05
ものづくり力を活かした脱臭除菌装置のオリジナルブランドを立ち上げ
〜「光触媒」と「深紫外線」のダブル清浄でクリーン空間づくりに貢献〜
大陽工業株式会社
大陽工業株式会社

■今回発売されたLED脱臭照明『MKZ-LSN30』の概要や特徴などについてお聞かせください

 

酒井 : この製品は、LED照明に脱臭/除菌/ウイルス除去機能を搭載した天井取り付け型の脱臭装置です。

天井に設置して室内の空気を本体下部吸引口より吸引した後、搭載された光触媒フィルタによる強い酸化力が優れた分解能力を発揮するとともに、その後同じく搭載されている深紫外線LED(波長275nm)が照射されることにより、光触媒で処理しきれなかった「細菌を除菌」、「ウイルスを不活性化」し、浄化されたクリーンな空気を室内に戻していきます(図1)。分かりやすい説明としては、「装置内で空気を洗って外に出す」というイメージで、大きなポイントは「光触媒」と「深紫外線」のダブルで清浄処理する点であり、エビデンスもしっかり取っています。

図1 LED脱臭照明『MKZ-LSN30』のしくみ

 

また、「なぜ天井取り付け型にしたのか」というと、我々は後発という立場でもありますし、市場を見てもリビングルームやある程度の広い空間は、すでに多くのメーカーが市場に参入しており、あえてレッドオーシャンにいくこともないと考えました。そこで、ブルーオーシャンはどこにあるのかとリサーチしたところ、むしろ狭い空間では空気清浄器などは邪魔で電源も取りにくいため、製品自体もほとんどないことが分かりました。

たまたま天井を見ると電球があり、電源もそこから取れるのではと考え、このアイデアをもとに開発をスタートさせました。ただ、開発プロセスで5年ほどの期間を要していたので、その間に競合するメーカーが存在し始め、製品的にも先にリリースされていました。しかしながら、性能的にはまったく引けを取りませんし、それを全面に出していこうと思っています。

主な特徴としては、1台で1〜3畳の頻繁に換気のできない小空間の空気番として、24時間活躍することができ、取り付けも天井の電球ソケット(E26口金形状)に取り付けるだけの簡単設置ですぐに使用可能です。空気そのものを取り込んで浄化するため、芳香剤や消臭剤などの噴霧/残留がなく、アレルギーや副作用の心配もない安心/安全な空間を提供します。照明は、利用シーンに合わせて明るさ切り替え(60/30W相当)が可能で、電球色と昼光色の2色から選択することができます。

さらに、人感センサを搭載しているので、スイッチへ触れずに自動点灯することと、照明の消し忘れの心配がなく、滞在時間の短いトイレや玄関などでの使用に適しているといったことが挙げられます(写真3)。

写真3 LED脱臭照明『MKZ-LSN30』の設置例(昼光色/電球色)

 

■今後の展開についてお聞かせください

 

酒井 : “MIKAZE”ブランドの脱臭除菌装置については、現状1〜3畳といった狭い空間をターゲットに事業を展開していますが、今後は多くのメーカーが展開しているリビングクラスの10〜12畳を上回る、大規模な空間をターゲットにしていきたいと考えています。大規模な空間も、参入しているメーカーがほとんど存在していない状況なので、狭い空間と大規模空間といった両極端の市場で事業を展開する予定です。

現在開発中の大規模空間向け製品は、約100畳の空間を1時間程度で清浄処理することを想定しています(写真4)。また、LED脱臭照明と同様で人体に有害な物質の使用や発生がなく、安心/安全に使用できます。さらに、大型ブロア搭載で大風量、可搬型で移動も容易にできます。構造はユニット式で、通常は2ユニットを装備(脱臭/除菌標準型はHEPA(光触媒)フィルタ、UV-光触媒方式×1ユニット、活性炭吸着フィルタ×1ユニット)しており、使用するシーンに合わせて清浄方法や清浄能力(UV-光触媒方式ユニット装備数(最大2ユニット))を選択でき、性能面の応用が色々と可能です。(除菌特化型、脱臭特化型など)この部分が当社の特許技術になっており、オプションなども色々と用意していきます。

写真4 現在開発中の可搬型脱臭除菌装置試作品イメージ

 

現在は試作品段階ですが、2020年末をメドに製品化を目指しています。このような、空間清浄を通してブランド製品を広めることにより、社会貢献にも繋げて行けたらと思っており、セカンド、サードといった製品開発も色々計画している状況です。

それから、元々の母体事業である板金/塗装と装置組み立てのベースがあったからこそ、このようなオリジナルブランドにもチャレンジしていけたと思いますので、これからもベースとなる技術を大事にしながら新しい製品を自社の力で開発していき、全体で相乗効果を出せる形にして企業の価値を高めたいと考えています。

今後も、社会に必要とされる企業を目指して、ものづくりやサービスの事業を展開していきます。

 

本日はお忙しい中ありがとうございました。

会社名
大陽工業株式会社
所在地
東京都品川区