三次元測定機の計測プローブで高い世界シェアを占めているRENISHAW社。そのプローブ技術をNC工作機械の計測に応用し、工場内での不安定要因の特定と制御を行うためのフレームワークとしてProductive Process Pyramid(PPP)を提唱、その計測ソリューションについてレニショー株式会社マーケティングサービスグループマネージャー 佐藤 清志 氏に話しを聞く。
■三点支持式タッチトリガプローブを始めとする計測技術
Renishaw社は、1972年に現会長のディビッド マクマトリー氏がコンコルド旅客機のエンジン測定用として、三点支持式タッチトリガプローブを開発したことに始まる。1973年には、同社を英国に設立、三次元測定機用タッチプローブを商品化した。三次元測定機(CMM)とは、一般的に3軸の直行するガイドと、各軸に付けたスクール、タッチプローブなどで、被測定物の位置座標から寸法や位置などの幾何形状を測定する装置である。
1977年には、CNC工作機械用タッチプローブの発売を開始し、現在では31ヶ国に50を超える拠点でサポートしている。日本では、1982年に海外現地法人第2号として設立された。同社のタッチプローブは、世界の三次元測定機、工作機械で使用されている。タッチプローブのほかにも機械精度を診断するレーザー計測システム、位置決めエンコーダシステムなど、生産設備の高精度化を推進する製品も多くもっている。また、研究開発用分析機器や医療機器などの新しい分野にもチャレンジし、英国で最も権威のあるTHE QUEEN’S AWARDSを13回受賞している。
■工作機械における計測ソリューション
機械加工に対するユーザーの要求はより複雑になり、加工精度、スピード、コスト低減などが求められてきている。そこで、品質管理や生産性向上のために、工作機械におけるプローブでの測定は非常に有効であり、その必要性が高まってきている。加工精度のばらつきやコスト負担の原因は、機械精度のほかにも、手動測定によるヒューマンエラー、機械やワークの熱変位、工具の磨耗や折損などさまざまな原因が考えられる。加工工程におけるプローブによる自動測定を導入することで、ワークや工具の高速/高精度の測定を行うことにより、それらの誤差要因を取り除き、工具/治具/ワークのセッティングにかかる機械停止時間の削減、工具折損の検出、工具補正による加工精度の安定などが得られ、品質管理および生産性の向上が可能となる。
レニショー(株)のマーケティングサービスグループ マネージャーの佐藤清志氏は「当社は、工作機械加工における各工程の測定における製品と技術がそろっており、工作機械加工問題に関するトータルソリューションをもっている世界で唯一の企業だと自負していますし、生産性向上のための計測ソリューションをご提供することができます。
日本においては、昨年のJIMTOF2010において工作機械の計測ソリューションの提案を行いました。当社では、工場内での不安定要因の特定と制御を行うためのフレームワークをProductive Process Pyramid、略してPPPと呼んでおり、当社の革新技術、実証済みの手法、およびエキスパートの知識を活用しています。
ピラミッドの底辺、基礎の部分は精度管理、その上に芯出し・段取り計測、そして工程内制御、最上部を加工工程のモニタリングと捉えています。現在の資産を活用し、設備投資を先送りして、既にある機械でより高い生産効果を得ていただくために、無停止運転/無人運転での加工ができるようにお手伝いしたいと考えています」と話す。
プロダクティブ・プロセス・ピラミッド
- 会社名
- レニショー株式会社
- 所在地
- 東京都新宿区
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