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スペシャルインタビュー
2022.07.12
既存器具を再利用することで環境/経済的に優しいLED照明器具
〜菌抑制効果のある空気循環式殺菌灯器具の開発にも着手〜
エコ・トラスト・ジャパン株式会社
CEO 桝本 明宏 氏  R&D部 企画課 課長 佐々木 翔平 氏

LED照明を中心に事業を展開するエコ・トラスト・ジャパン株式会社。省エネをテーマに既存器具を再利用してLED化を進める同社の概要と、自社ブランドで展開する製品ラインアップや最近着手された空気循環式殺菌灯器具などについて、CEO 桝本 明宏 氏、R&D部 企画課 課長 佐々木 翔平 氏にお話しを伺った。

 

■御社の概要と事業内容などについてお聞かせください

 

桝本 : 当社は、2005年7月に神奈川県平塚市で設立し、すでに15年程の歴史をもつ会社になります。設立当初は、水回りと環境に関連したビジネスを展開していましたが、2011年に発生した東日本大震災をきっかけにLED照明分野に参入しています。

震災当時、電力が逼迫して省エネが求められた時期だったこともあり、駅などの照明も薄暗い状態が続いていました。我々としても、このような環境を改善したいと考え、省エネで明るく照らせるLED照明に着目しました。そして、それまで展開していた事業から一転し、新たなビジネスとしてLED照明に取り組み、営業拠点も2011年5月に神奈川県平塚市から東京都渋谷区恵比寿に移しています。

その後も、省エネのニーズが続いていったので徐々に事業規模を拡大していき、2012年7月には大阪府大阪市に関西支店を設立、2013年2月には福岡県福岡市に九州支店、同年4月には宮城県仙台市に東北支店を設立し、2018年1月には愛知県名古屋市に中部支店を設立しています。

また、東京都内の営業拠点も何度か移転する中で、本社機能を平塚市から都内の拠点に移しており、現在の所在地である港区には2019年4月に移転しています。平塚市には、平塚テクノロジーセンターを設置しており、そこではR&D/生産管理/品質管理といった機能を担っています。

そのような中、当社では現状もLED照明を事業の柱とし、自社ブランドである“TRUST-LIGHT(トラスト・ライト)”を立ち上げて、お客様のニーズに幅広く対応するとともに、ブランド名でもある「信頼させる光」を提供できるよう日々取り組んでいます。

 

■“TRUST-LIGHT”の特徴や製品ラインアップについてお聞かせください

 

佐々木 : 当社の“TRUST-LIGHT”には、8つの大きな特徴があります。

まず1つ目は、設計/製造にいたるまで安心感の高い日本製であることが挙げられます。市場の主流となる直管形LEDは、国内でも中国製など海外製品が多く流通しているため、点灯試験を実施するなど品質的に目の届く日本製を求められるお客様が多くいらっしゃるので、そのようなニーズに対応しています。

2つ目は、LED素子に関してもほぼ日本製を採用していることが挙げられます。LED素子は、特許の兼ね合いなどが色々とあり、当社では演色性/高効率/長寿命など、国内外で高い信頼性を受けている大手メーカーの製品を採用することで、“TRUST-LIGHT”の信頼性を維持しています。

このようなこだわりから、業界内でもいち早く製品保証5年間を打ち出しており、これが3つ目の大きな特徴になっています。電源回路の故障でも、LEDランプの故障でも保証対応で、長期間安心して使用することができます。

そしてここからは技術的な内容で、4つ目はワイドな配光角度に設計していることが挙げられます。以前のLEDは、スポットライトのような直進的に光るので、凄く眩しいイメージがあったと思いますが、“TRUST-LIGHT”は蛍光灯と同じように天井面まで明るい広配光270〜300度に設計されています。そのため、眩しさを感じない優しい光で、部屋全体を明るく照らすことができます。

5つ目は、電磁波妨害対策としてCISPR11/15に準拠していることが挙げられます。特に輸入品などでは、あまり電磁波対策をされていない製品がありましたが、当社ではこの問題をいち早く解消し、医療機関の精密医療機器にノイズが影響を与えないCISPR11と、ラジオやテレビといったAV機器に雑音が入らないCISPR15に準拠しています。

6つ目は、口金角度調整機能を備えていることが挙げられます。これは、照らしたいところに光を向けることができる調節機能で、間接照明にも使用することが可能です。左右100度各5ステップで、ロック機能も付いています。

7つ目は、電源内蔵型になっていることが挙げられます。管の中に小型電源を内蔵しているため、導入時の工事がシンプルで工事費用も節約できます。また、ランプの寿命がきた時にも、工事不要で感電リスクがなく交換することが可能です。

そして最後の8つ目は、軽量であるということが挙げられます。LEDが市場に出始めた頃は、非常に重たいイメージのある製品が多く、東日本大震災の時も落下する事案がかなり報告されていました。そのため当社では、40W形蛍光灯の244gに迫る285gの軽量を実現しています。これにより、地震や振動による落下リスクが軽減できると考えています。

また、これらの特徴以外にも“TRUST-LIGHT”は、一部の製品を除いて基本的に既存器具を再利用するランプ交換形により、LEDランプ交換と器具内の配線変更工事だけで導入が可能なため、導入コストが抑えられるだけなく、工事も短期で済み、廃棄物も蛍光灯のみなので産廃費用が少なく済むといった3つのメリットがあります。

このような8つの特徴と3つのメリットにより、他社との差別化を図りながらビジネス展開を進めています。

現状の製品ラインアップは、直管形LEDランプシリーズとして一般的な『トラスト・ライトRX 高効率(200lm/W)タイプ』(写真1)と『トラスト・ライトEX 高効率(160lm/W)タイプ』、直下照度を重視した『トラスト・ライトG 直下照度重視タイプ』と人感センサを装備した『トラスト・ライトG 人感センサタイプ』、それから照射物の色を忠実に再現する『トラスト・ライト 高演色タイプ』やオイルミスト等に強い『トラスト・ライト ガラス管タイプ』(写真2)、あとは高温環境や低温環境にそれぞれ適した『トラスト・ライト 高温環境タイプ/低温環境タイプ』など、特殊な現場に対応するモデルも用意しています。

写真1 『トラスト・ライトRX 高効率(200lm/W)タイプ』

写真2 『トラスト・ライト ガラス管タイプ』

 

これにより、現状で蛍光灯が使われているほとんどの環境をカバーできると考えています。

さらに直管形以外でも、エレベータホールや病院/養護老人ホーム等の食堂などで使われているFPL/FHP形蛍光灯に対応した『FPLコンパクト蛍光灯形LEDランプ』(写真3)、昨年末で水銀灯の輸入/輸出や国内での生産ができなくなったため、それの代替として既設の水銀灯器具をそのまま使用してLED化を実現する『水銀灯形LEDランプ』(写真4)なども用意しており、非常に好評をいただいています。

それから最近では、新たに『空気循環式殺菌灯器具』の開発を進めていましたが、昨年末に製品化のメドがつき、本年3月より販売をスタートさせています。(写真5)

写真3 『FPLコンパクト蛍光灯形LEDランプ』

写真4 『水銀灯形LEDランプ』

写真5 『空気循環式殺菌灯器具』

 

会社名
エコ・トラスト・ジャパン株式会社
所在地
東京都港区