ビジネスコミュニケーションを加速する
BtoB ニュース専門サイト | ビジコムポスト

スペシャルインタビュー
2022.07.12
既存器具を再利用することで環境/経済的に優しいLED照明器具
〜菌抑制効果のある空気循環式殺菌灯器具の開発にも着手〜
エコ・トラスト・ジャパン株式会社
CEO 桝本 明宏 氏  R&D部 企画課 課長 佐々木 翔平 氏

■では、新製品となる『空気循環式殺菌灯器具』の概要と製品の特徴などについてお聞かせください

 

桝本 : この製品の開発は、2019年の年末頃からスタートさせています。我々はLEDのメーカーなので、紫外線のLEDで殺菌効果のある製品をつくろうと企画し、トライしていました。

当初の計画では、新製品ということもあり2年程かけてじっくり腰を据えてやって行こうと考えていましたが、2020年に入ってすぐにコロナ問題が発生し、殺菌灯のLEDはまだ成熟されていないこともあり、まずは世の中にある蛍光灯タイプの殺菌灯で開発を進めました。そして6月には試作品をつくり始め、年末には製品化のメドが立てられるところまでこぎ着けました。

世の中では、殺菌や減菌のニーズが非常に高まっており、我々自身も出勤者7割減ということでテレワークや時差出勤などを行いながら、社内では空気清浄機を数台購入し使っていましたが、やはり殺菌灯の方が効果があると考え、殺菌灯の開発に着手しています。また、蛍光灯は組み合わせ技術で行えるため、短期間で立ち上げられると考え、コロナに対しての対応も踏まえて改善に取り組んできました。

佐々木 : 今回の新製品は、内蔵型のファンを装備しており、室内空気をこの内蔵型ファンで強制循環させ、殺菌灯を照射して菌を効果的に抑制し、きれいな空気を押し出す構造になっています(図1)。

図1 『空気循環式殺菌灯器具』のメカニズム

 

この内蔵型ファンによる風量が、1つのポイントになっており、それは風量によって殺菌効果がまったく変ってくるためです。ただ、ファンを大きくすれば音もうるさくなるので、風量に対して音の問題であったり殺菌効果の問題といったところの調整が、私の中で非常に苦労した点になっています。

また形状についても、このような器具は天井に取り付けて使われていますが、他社の製品は比較的サイズの大きなものが多いので、当社ではそれを如何にコンパクトにするかが開発のテーマにもなっていました。そして風量を落さずに、空気も吸い込んだものを外に漏らさず、しっかり殺菌させて出すという外観の構造は、今までにないような形状でつくられています。こちらも、非常に苦労した点になっています。

そして、殺菌灯自体は人体に影響を及ぼす恐れがありますが、しっかり本体に内蔵する方式を採用しているので、人がいる空間でも安心して連続運転することが可能です。さらに、薬品を使用していないので、室内などに残留物が発生せず、フィルタも使用していないため、交換などメンテナンスの必要がほとんどありません。

ラインアップとしては、スタンダードタイプとミドルタイプの2種類を用意しており、設置環境に合わせてご提案できるようにしています(図2)。

図2 『細菌濃度時間推移』

会社名
エコ・トラスト・ジャパン株式会社
所在地
東京都港区