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テクニカルレポート
2023.07.26
電子機器トータルソリューション展2023

2023年5月31日(水)〜6月2日(金)の3日間にわたり、電子回路関連技術の総合展示会である『電子機器トータルソリューション展2023』が、東京ビッグサイトで開催された。

本展示会は『JPCAShow 2023 第52回 国際電子回路産業展』『JISSO PROTEC 2023 第24回 実装プロセステクノロジー展』『SDGsデバイス展』『JIEP マイクロエレクトロニクスショー 第37回 最先端実装技術・パッケージング展』『WIRE Japan Show 電気・光伝送技術展』『Electronics Component&Unit Show』『E-Textile/Wearable イーテキスタイル/ウェアラブル展』『Smart Sensing スマートセンシング』『無人化ソリューション展』『InterOpto インターオプト』『Imaging Japan』『Edge Computing』で構成。

3日間の総来場者数は合わせて48,018名に上った。

■会期:2023年5月31日(水)〜6月2日(金)

■会場:東京ビッグサイト

■主催:(一社)日本電子回路工業会(JPCA Show)、他

 

■段取り替え時のリフロー待ち時間の短縮やライン停止の未然防止などの機能を搭載

(株)タムラ製作所では、リフロー装置の新製品『TNU-CR』を展示していた。

同製品は、炉内の対流を制御することでメンテナンス頻度を大幅に削減し、さらに炉内の酸素濃度を均一化することで窒素消費量の削減を実現する同社オリジナルの「炉内対流制御」技術、新機能として段取り替え時のリフロー待ち時間の大幅短縮を可能にする同社独自の温度段取りシステム「高速機種切替機能」を標準装備している他、オプションとしてフラックスによる汚れの状況をタムラ独自のセンシングによって、適切なメンテナンス時期を通知し、ラインの急な停止を防止する機能なども搭載できる。マウンタメーカー各社とのトレーサビリティ、自動段取り替えシステムに対応している点も大きな特徴となっている。

リフロー装置『TNU-CR』

 

■確実なプリント基板搬送を実現する吸着パッド

シライ電子工業(株)では、スルーホールのあるワークのハンドリングも可能な、簡単調整吸着パッド『S-PAD』を、デモを交えて展示していた。

複数のサイズの吸盤が様々なワークの吸着をサポートする製品で、軽量なのでロボットアームに最適。吸着位置の調整も簡単に行え、インストールも容易で、省メンテナンスを実現。2枚吸着も防止する。保持力は10N以上(平滑面かつ通気性がないとき)、外形寸法は59×58.6×28mm。プリント基板搬送に関する多くの問題を解決するパッドである。

簡単調整吸着パッド『S-PAD』の吸着面

 

■開発から、試作、小ロット及び量産までワンストップで対応

パスコン(株)では、受託開発支援から製品までをワンストップで提案する取り組みを紹介。

同社では、ハード設計、ソフト設計、機構設計一式の対応が可能で、試作から量産までの製品開発を請け負うことができる。ブースでは、参考出展として「環境監視システム」を展示。これは、温度、湿度、照度、気圧、風速、水位情報を無線送信し、環境状態をモニタ監視するシステム。また、この他にも、センサが検知した衝撃を受信端末に送信し、異常を知らせる、特定小電力920MHz帯無線モジュール採用の「衝撃検知システム」も展示。オリジナル無線応用製品も製作可能であるとして注目を集めていた。

パスコン(株)のブース

 

■生産対応力を拡張し、さらなる柔軟性を実現する装着機

(株)FUJIでは、拡張型オールインワン装着機の新製品『AIMEXR』を紹介していた。

同製品は、『AIMEX』シリーズの特徴である汎用性を有しながら新たなセンシング機能による高品質と大量生産を含めた高生産性を実現する装置。大型コネクタや重量部品のハンドリングや、反りが大きくなりやすい大型基板にも対応し、コンパクトサイズながらも豊富な対応力で、柔軟、かつ幅広い生産運用が行える。また、リアルタイムセンシング技術によって、電子部品と基板の状態を確認し実装に反映することで常に適正な実装状態を実現。安定した高い実装品質を確保している。リニアモータの採用で進化したXYロボットにより、シリーズ史上最速の実装スピードを実現しており、面積生産性のさらなる向上が期待できる。

拡張型オールインワン装着機『AIMEXR』

 

また、(株)FUJIのブースでは、グループの中核企業である(株)アドテック富士が、生産現場のDX化ツール『adFactory』を紹介。

「作業指示」「進捗モニター」「実績収集」「実績出力」システムからなる、「工場を見える化するツール」で、生産状況の見える化のほか、作業飛ばしの防止、作業分析支援に貢献する。さらに新たなシステムとして、環境作業の進捗のデジタル化を実現し、進捗を見える化する作業工数管理システム『adFactory Lite』、日常点検/製品検査をデジタル化する、タブレットを用いた電子帳票システム『adFactory Reporter』を紹介。人、工程、製品を分析して改善して品質向上と高効率化を実現するものとして、多くの来場者の注目を集めていた。

『adFactory』関連の展示

 

■高速・高品質印刷と段取り替え全自動化を実現し、デュアルレーンにも対応

ヤマハ発動機(株)では、クリームはんだ印刷機の新製品『YRP10』を展示していた。

高速/高品質印刷と、段取り替えの全自動化を実現した、シングルレーン/デュアルレーン対応の印刷機で、コアサイクルタイム6秒の高速印刷性能を備えながらも、±6σ:±16μm Cpk≧2.0と印刷精度が高い。また、基板を下方から支持するプッシュアップピンを自動で交換し、人的ミスの防止に加えて同時に2本ずつ装着できるため段取り替えの時間を短縮できる「プッシュアップピン自動交換機能」(オプション)、印刷機稼働中、次に使用するマスクをセットしておくことで、現在の印刷終了後、印刷機を停止することなく自動的にマスクを交換する「マスク自動交換機能」(オプション)などにも対応する。

クリームはんだ印刷機『YRP10』

 

■高い検査精度で不良の流出を防止

ヤマハファインテック(株)では、アルミパウチのシール不良を解消するヒートシールテスタ『ULTRASONICA』を紹介していた。

同製品は、食品などの真空包装用のヒートシールの不良(液体/粘体/粉体の嚙みこみや、シール部の剥離/しわ、など)を高精度に検出する超音波検査機で、難しいスキルや経験、特殊な教育は不要。電源を入れれば、簡単な3ステップですぐに使用でき、タッチパネルと洗練されたユーザーインタフェースによって直感的な操作が可能。ラインセンサ搭載超音波カメラで、同社独自の高度な音信号処理技術によって高い感度を実現し、不良流出を防止する。

ヒートシールテスタ『ULTRASONICA』

 

同展示会の次回開催は、2024年6月12日(水)〜6月14日(金)の3日間、東京ビッグサイトで予定されている。

会社名
Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社
所在地