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テクニカルレポート
2024.12.24
第1回 Thailand Electronics Circuit Asia
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構
青木 正光

タイ電子回路協会(THPCA)が香港線路板協会(HKPCA)と連携し、2024年7月24日〜26日までの3日間、バンコク国際貿易展示場(BITEC)で、プリント配線板および実装関係の生産とソリューションを披露する展示会「Thailand Electronics Circuit Asia(THECA)」が開催された。同展示会は、タイがプリント配線板生産における世界的な主要拠点としての役割を担っていることをアピールするのが目的で、プリント配線板分野の大型展示会がタイで開催されるのは初めとなった。

BITECのEH101の前に受付があり、QRコードを読み込むとバッジが発行され、展示会場に入ることができた。入口前に会場案内図と出展者リストの大きな看板が立てかけられており、そのリストによると182社の参加数となっていた。そして開催日初日の10時からオープニングセレモニーが開催された。見学した中で目に留まった企業を紹介する。

 

1. KCE(タイのプリント配線板メーカー)

タイで最初にプリント配線板メーカーとして1983年に生産を開始し、タイで存在感を示している企業である(写真1)。タイは「アジアのデトロイト」とも言われる程、自動車産業も盛んなため自動車向けの車載基板(写真2)などを主体に生産している。

タイでの自動車の生産台数は年間、約190万台規模となっている。電気自動車も普及が始まり、今後、電気自動車向けの車載基板が期待され、環境対応の取り組みも実施している(写真3)。

写真1 KCEの取り組み

写真2 KCEの車載関係向けの取り組み

写真3 KCEの環境への取り組み

 

2. Dynamic(台湾のプリント配線板メーカー)

ネットワークスイッチ用プリント配線は16層、18層、32層などが使用され、スタブを除去するためにバックドリルを適用したプリント配線板が展示されていた。パネルサイズも620mm x 710mmの大判サイズの生産が可能な会社である。

AIサーバー(写真4)の種類によって10層から22層まで用意して対応しており、バックドリル加工(写真5)も実施している。高速なインタフェース技術が必要なためか不要な部分をバックドリルで除去する方法が採用されている。

AIサーバーの速度向上は市場の成長と技術の進化に支えられており、今後もさらなる発展が見込まれている。

写真4 AIサーバー

写真5 バックドリル