今回われわれは、当社のユーザーであるSMT工場の排気ガス処理の問題を解決するために、『ダクトレス空気浄化システム』の開発を行った。なお、当社は、韓国でSMT関係を取り扱う会社である。
JINWOO社 代表取締役社長 Y.O.BAEK 氏
開発の条件
図1に示すのは、当該のSMT工場の排気塔の状況写真である。現状では、リフロー炉やはんだ槽からの排気はダクトを通じて大気放出されているが、排気中のヒュームと、においが問題になっていた。
図1 某社SMT工場の排気塔の状況
さらに、リフロー炉内やはんだ槽内は湿度が30%から40%と乾燥した状態であることから、基板の静電気対策も求められていた。
これらについては、現在では静電気対策及び基板冷却のためにチラーなどを使用することによって、作業環境の改善と室内温度の上昇を抑えている状態である。
このような問題を解決するために、このたびダクトレス空気浄化システムの開発を行った。
本製品の開発にあたっての条件は以下のようなものであった。
①機器及び周囲から発生するにおいを除去すること②チラーなどの(排熱を下げる)機器を使用せずに排 気温度を室温付近まで降下させること
③大気への排気によるVOC、粉塵、フラックスなど の放出物質を除去すること
④乾燥した排気を最適湿度まで上昇させること
⑤排気ダクトをなくすこと
⑥発生する煙なども除去すること
におい対策
また一般的に、におい対策としては、オゾンや活性炭が使用されている。しかしオゾンを使用する場合は、においの除去と殺菌効果が期待される反面で、オゾン臭(生ぐさいにおい)、並びに安全性が問題となっている。またオゾンの使用に際しては、労働上の安全面から、日本では室内濃度を0.1PPm以下にすることが法律で定めされており、わが国韓国でも室内濃度を0.05PPm以下にすることが決められている。さらにオゾンは室内に放出すると、周辺機器の腐食の原因となってしまうという問題点がある。
そこで当社では、排気処理をシステム内で行い、オゾンをシステム内で無害化した後で浄化した空気を室内に戻すという機構を開発した。つまり、安全性を確保した上で、オゾン水を用いて排気中のにおい除去とフラックスおよび粉塵除去を行い、またオゾン水を使用することによって排気ガスの温度降下にも使用できる構造としているのである。さらに、オゾン水を用いていることによって、乾燥した空気を加湿する効果も期待できる。
オゾンと活性炭を組み合わせることによって、オゾンだけでは取りにくかったにおいの除去とオゾンの無害化を実現している。またオゾンと活性炭の力に、さらに特殊フィルタを組み合わせることで除菌も可能としている。つまりは製造現場の周辺空気を除菌し、生産者の環境をよくすることができるのである。
- 会社名
- JINWOO. CO. LTD / JINWOO社
- 所在地
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