「ロボティクス」、「IoT」、「情報ネットワーク」の3つの分野で、省人化ソリューションを提供している株式会社 MEMOテクノス。今回は、同社を設立した経緯や概要と、省人化ソリューションの事業展開などについて、代表取締役 ソリューションデザイナーの渡邊 将文 氏にお話を伺った。
■御社を設立された経緯と概要などについてお聞かせください
渡邊 : 当社は、2006年10月に設立しています。元々私は、大学で電子工学を学び、卒業後は人材派遣の会社に就職したのですが、実はこの会社が人材派遣の会社とは認識しておらず、メーカーと思い込んで入社していました。結局、この会社には13年ほど在籍していましたが、どうしても派遣されたくなかったので色々と手段を講じ、その結果一度も派遣されることはありませんでした。
では、在籍期間何をしていたかというと、エンジニアリングとして開発現場に派遣された先輩方を訪ね歩き、治具開発を請け負ったり評価試験をスポットで手伝ったりする中で、社内でものづくりを行う部門を独自に立ち上げていました。ただ、元々は人材派遣の会社ですし、ものづくりのスタイルにはそぐわないということもあり、色々な方の後押しもある中、独立する形で当社を起業しています。
それから、もう1つのきっかけは、起業する前に私が飼っていたうさぎのMEMO君の存在でした。MEMO君は、生後半年の時に背骨の骨折という大怪我を負い、何とか一命は取り留めましたが、下半身不随の後遺症により歩行困難になってしまいました。そこで、前脚だけで歩くことのできる車椅子に乗せてあげようと考え、獣医の先生に相談してみましたが、うさぎ用の車椅子を製造するメーカーは日本に1社もなく、アメリカとドイツに1社ずつあるだけで、入手も困難なことを知りました。
どうしても諦めきれない私は、自分でつくることにチャレンジし、試行錯誤を繰り返しながら、ようやくうさぎ用の車椅子を完成させました。その車椅子のおかげでMEMO君は、10歳を超える長寿をまっとうすることができました。
それ以来私は、「世の中にないものをつくることで、困っている人をものづくりを通じて助けていきたい」と考えるようになり、これを仕事にできるのは非常に幸せなことだと感じていました。そのため、当社の「ものづくりのこころ」として、世の中にないものをつくる会社を目指し、“あなたのしたいをカタチにします”をキャッチフレーズに事業をスタートさせています。
また、当社のモノづくりの原点はMEMO君の車椅子だったことから、社名にMEMO君の名前を採用しています。創業時は、私一人で自宅を事務所代わりにしていましたが、徐々に事業も軌道に乗って会社の規模も少しずつ大きくなる中で、事務所も自宅から離れて何度か移転を行いました。そして、2016年12月には相模原市南区に『さがみはらモノづくりラボ』を新設し、現在はここを拠点に事業を展開しています。
■現在展開させている事業内容についてお聞かせください
渡邊 : 当社では、「音響/自動制御」、「自社開発」、「受託開発」といった3つの柱による省人化ソリューションをベースに、サービスを提供しています。省人化ソリューションとは、基本的にワンストップでサービスを提供するといった我々のソリューションの考え方で、お客様のご要望を聞くことがスタートになります。
単にものづくりをする会社は、「どういうものをつくるのか?」といった決め事となる仕様がないとなかなか事が進みませんが、基本的に仕様決め/仕様書をつくるのは我々の仕事になります。ものづくり屋というよりはソリューション屋になるので、「どういうものが必要なのか?」ということをヒヤリングしながら決めさせていただきます。
そして、決まったものを開発して実際にものづくりを行い、完成したら出荷して現場で設置/施工し、運用計画からメンテナンスやリプレイスまですべて我々が行います。そのため、1つの問題提起に対して、その後の解決策の具体的な方法論の提示と、継続して運用していくための製品のライフサイクルまで含めて対応していくことが、我々の考えるソリューショ要望ンと捉えてください。
基本的には、「自社開発」や「受託開発」が中心で、コア技術としては「音響/自動制御」になります。私のドメインは音響技術だったので、「音響」と「自動制御」というのが私のエンジニアとしての立ち位置になっており、前職もそれを活かしてものづくりを行っていました。
また事業分野としては、「ロボティクス」、「IoT」、「情報ネットワーク」の3つの分野で展開しています。
ロボティクス事業では、ご存じの通りロボットでものを動かすということで省人化を図る取り組みを推進し、我々は「もののロボティクス」と呼んでいます。情報ネットワーク事業では、ものは存在しないけれど情報や音声アナウンス、音響の世界もここに相当しますが、お客様にとって必要な情報を自動的にハンドリングすることで、人が動かなくて済むような取り組みを推進し、我々は「情報のロボティクス」と呼んでいます。例えば、検査したデータを転記せずにサーバーへ自動的に上げて自動集計することも、この「情報のロボティクス」に相当すると我々は解釈しています。
そして、この情報などを実際に繋げていくのがIoT事業で、当社でもデバイスを開発し製造していますが、どちらかというと販売をビジネスの目的にするというよりは、我々がソリューションを提供するにあたり、お客様が現場での困りごとを見つけていただくためのツールとして提供しています。やはり、その現場の素人である我々がとやかく言うよりは、まず現場のプロフェッショナルである現場の方々に、現状見えていないところを見えるようにしていただくためのツールとして、活用していただきたいと考えています。そのため、センサが1つだけ繋がって24時間監視できるような簡易的なデバイスになっており、比較的安価な製品で、基本的にはクラウド費用が掛からず、お好きな場所に設置すればずっと見える化が可能になっています。
当社では、もちろんロボットありきで「このようなロボットを使いたい」といった相談にも対応していますが、やはり「ただ漠然と問題と感じている」とか「今まで何十年もこのやり方でやってきたが、このままではいけないと思っている」など、誰に聞けばいいのか分からないような悩みを抱えているお客様に対して、意見を聞きながら解決策を提案させていただくようなスタイルをメインに事業展開しています。
また、安全策が必要な大型のロボットシステムなどは手掛けておらず、どちらかというと安全策のないフィールドで、人と一緒に活躍するようなロボットに特化した取り組みを行っています。
- 会社名
- 株式会社 MEMOテクノス
- 所在地
- 相模原市南区
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