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テクニカルレポート
2022.04.11
電子機器トータルソリューション展2021
エレクトロニクス 実装技術 編集部

2021年10月27日(水)~10月29日(金)の3日間にわたり、電子回路関連技術の総合展示会である『電子機器トータルソリューション展2021』が、東京ビッグサイトで開催された。

本展示会は『JPCA Show 2021』『2021マイクロエレクトロニクスショー』『実装関連展』『有機デバイス総合展2021』『WIREJapan Show 2021』『JEP/TEP Show』『E-Textile』『Smart Sensing 2021』『All about Photonics』『Edge Computing』で構成。

3日間の総来場者数は合わせて16,699名に上った。

 

 

金沢大学 振動発電研究室のブースでは、磁歪式振動発電デバイス『V-GENERATOR』を紹介していた。

『V-GENERATOR』には、近年開発された鉄とガリウムの合金で高効率にエネルギーを変換することができる磁歪材料が用いられており、構造がシンプルでありながらも、堅牢かつ低コストで高出力を実現している。

サイズ、周波数の自由度が高く、様々な振動で発電することができるため、たとえば屋外の環境振動を橋梁に活用して、傾斜や腐食状況をモニタリングして無線送信させたり、機械振動との共振で生産管理や予知保全をしたりすることも可能であるなど、いろいろな用途を提案していた。

 

金沢大学 振動発電研究室のブース

 

 

イープロニクス(株)では、精度が良く、かつ早くて効率的に作業が行える高精度プリント基板加工機『Aシリーズ』を紹介していた。

同製品は、ミクロンレベルの優れた繰り返し精度を実現しており、試し切削が不要な充実した自動機能を有する。

三軸高速サーボ制御を採用している他、効率的加工が可能なワイドな加工領域を実現している。

この他ブースでは、卓上型で汎用性のあるリフロー装置『FT03』を実機展示し、注目を集めていた。

 

イープロニクス(株)の展示。
左側にあるのが小型汎用リフロー装置『FT03』

 

 

福井県e-テキスタイル製品開発研究会では、電子部品やセンサを繊維製品に実装する「スマートテキスタイル」の技術進展に寄与する、会員企業各社の製品などを展示していた。

このうち、ウラセ(株)のブースでは、フレキシブル高強力導電糸を紹介。

同製品は、高強度で低抵抗の細い導電糸。

耐屈曲性を有し、柔軟性に優れており、帝人フロンティア(株)のRFID『TJRF-1000/2000』など、様々な配線、通信用の導電糸として活用されている。

また、開発品のメタルフィルムも展示。極薄両面めっき加工を施し、広幅加工、長尺加工、黒化加工も可能。薄膜回路基板やデフロスター用基板などへの用途に適する。

 

ウラセ(株)の展示

 

 

(株)大日光・エンジニアリングでは、電子部品画像計数器『マルチカウンタ MC-10』を展示していた。

カウントしたいパーツを同製品のトレーに広げ、ボタン1つ押すだけで、ほとんどのパーツの形状を瞬時に自動解析し、カウント。

めんどうな部品ごとの登録は不要で、独自の画像カウントアルゴリズムでパーツ同士が接触していても安定的にカウントができる。

また、固まりを構成数ごとに色分けするため、人が見た数とマルチカウンタが認識している数がビジュアル的に確認でき、カウント結果の正確性を判断することができる。

 

電子部品画像計数器『マルチカウンタ MC-10』

 

 

また同社では、新開発の非接触での操作が可能なパネルディスプレイの紹介、として、同社が実際に運用中である、仕出し弁当の注文端末『タッチ de ランチ』を、(株)アスカネット製の『ASKA3D』を用いて画面を空中投影し非接触で操作が行えるようにしたものを展示していた。

大勢が利用する端末でありながら衛生的な運用が可能で画面の拭き掃除も不要、かつ、物理的な力がかからないのでタッチパネルよりも壊れにくい、などの利点により、この技術を、汚れた手での操作が必要な現場、衛生基準の厳しい工場などへ応用できる。

 

タッチ de ランチ

 

 

(株)イチカワテクノファブリクスでは、プリント基板製造用クッション材『ACE BOARD』を紹介していた。

同製品は、プリント基板の製造工程における、銅箔とプリプレグを積層してプレス機で貼り合せるプレス成形工程での使用に適するもので、プレス温度に合わせた最適な耐熱性と最適なクッション性を提供。

使用条件に合わせて、様々な材質、スペックの品揃えを用意しており、5GやADASなど高周波対応の低損失基板用に、300℃以上の高温プレス成形にも対応したものも展開している。

プリント基板製造用クッション材『ACE BOARD』に関する展示

 

 

Shimada Appli(同)では、1mm 幅前後からの塗布パターン幅による、局所に薄膜形成するセレクトスプレーバルブを紹介。

粘度10~1500センチポイズの材料を選択的にコーティングする塗布バルブで、1mm前後のパターン幅から薄膜塗布可能。

ナノオーダーの薄膜塗布も可能で、ゲル化、並びにつまりやすい材料もスムーズに塗布できる。

凹凸面や鋭角部もしっかり成膜し、膜厚の改善に貢献。低~中粘度塗布液の成膜形成に最適で、微粒化性能が向上したことで乾燥率の大幅な向上も実現する。

 

Shimada Appli(同)のブース

 

 

同展示会の次回開催は、2022年6月15日(水)~17日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて予定され
ている。

会社名
エレクトロニクス 実装技術 編集部
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