長野県諏訪市の諏訪湖近くにセイコーエプソン(株)の本社がある。同社は、情報関連機器(プリンタ、スキャナ等コンピュータ周辺機器及びPC、液晶プロジェクタ等映像機器)、電子デバイス(水晶デバイス、半導体、ディスプレイ)、精密機器(ウオッチ、FA)、その他の開発・製造・販売・サービスを行っている。ワールドワイドの総従業員数は81,461人(2012年9月時点)だ。
そして、ここには、セイコーエプソンの歴史を語る『ものづくり歴史館』がある。創業以来、同社が開発・製造・販売を行ってきた代表的な商品、歴史関連資料がぎっしりと並べられている(写真1)。
写真1 エプソンの技術・製品の変遷
同社の歴史は、1942年に諏訪の地で設立された(有)大和工業にはじまる。以降、服部時計店のウオッチ製造部門として1937年に立ち上げられた(株)第二精工舎の疎開先である諏訪工場と(有)大和工業が合併し、1959年に(株)諏訪精工舎となった。そして、諏訪精工舎がクオーツウオッチ開発で培った超微細・精密加工技術を独自ブランド創設のため、プリンタの製造に活用し始めたことがセイコーエプソン誕生のきっかけとなっている。1968年にそのきっかけとなった小型軽量デジタルプリンタ『EP(ELECTRIC PRINTER)-101(写真2)』が開発され、このプリンタの子供たち(SON)のような製品群を世に送り出したいという想いから、1975年に『EPSON(エプソン)』ブランドが誕生したのだ。
写真2 デジタルプリンタEP-101
このEP-101は、当時30cm3、10kg 以上が標準であったプリンタの中で、W16.35×D13.5×H10.2cm、2.5kgと小型軽量で片手で持てる大きさや、構造のシンプルさによる高い耐久性と信頼性を実現し、電子式卓上計算機をはじめ幅広い分野で活用された。動力部には、独自開発の高効率・長寿命の小型モータが搭載され、電池で作動できる従来の1/20の省電力設計で、水晶時計用モータの応用開発をはじめ、材料の選択・製造技術など、時計製造で培われた精密加工技術が活かされていた。
- 会社名
- セイコーエプソン(株)
- 所在地
- 長野県諏訪市
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