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テクニカルレポート
2018.10.26
IoT実現に欠かせない電子部品
「センサ」
NPO法人 サーキットネットワーク

 

はじめに

 今日、IoTの世界を実現する環境が整ってきて、各所でIoTの実践が発表されるようになってきている。反面、まだまだIoTに関して十分な理解が広まっていないのも現実である。簡単にIoTを表すと図1のようになり、すべての「もの」(Things)が勝手に喋りだすということになる。

ただし、従来から存在してきたオートメーションやM2M(Machine to Machine)との根本的な違いは、IoTの場合はすべての「もの」の状態や変化の情報がインターネットに繋がっているということである。

 「もの」の状態や変化を把握するのがセンサである。電子部品としてのセンサの役割は「もの」の状態や変化を定量的に電気信号に変換することである。電気信号とは、電流、電圧、静電容量、抵抗などである。センサはIoTにとって必須の部品であるという所以である。

 センサとは「見えないものを見る」ための道具である。産業革命以降、人間のもつ五感(視覚、触覚、嗅覚、聴覚、味覚)(図2)をセンサにより機械で置換できないかという研究開発がセンサの原点であり、開発が進み、さらに20世紀に入り、コンピュータが広く普及したことも相まって、センサは五感にとどまらず、自然現象までを対象とした広い分野での活用を目的として研究開発が進み順次実用化されつつある。

 以下、IoTの実現に必要と思われる温度、光、磁気のセンサに関して述べる。

 

センサの定義

ものを物理量といい、すべての物理量は基本となる7つの単位の組み合わせからなっている。

 7つの単位とは、長さ(m)、質量(kg)、時間(s)、電流(A)、温度(K)、物質量(mol)、光度(cd)である。

 物理量には示量性と示強性と2つの状態量に分類できる。示量性とは「系の大きさ、体積、質量に比例すること」であり、簡単にいうと「あるものを二つに分けたときに変化する量のこと」であり、体積や質量などが該当する。

 いっぽう、示強性とは「系の一点における強さを表す物理量のこと」であり、簡単にいうと「あるものを二つに分けたときに変化しない量のこと」であり、温度や圧力などエネルギーに相当する物理量が該当する(図3)。

 センサは物理量の変化を検知し有用な情報に変化するデバイスである。示量性の変化は、直接的に変化量を知ることができる場合があるが、示強性の変化を検知するためには被測定対象物から得られた情報を読み替えて必要な情報にする必要がある。すなわち間接測定となる。

 一例を示すと、示量性では、数量などはカウンタで出た数値がそのまま使用できるが、示強性である車の速度などは、いったん車の車輪の回転数を電圧あるいは電流に置き換えて取得し、さらにそこから計算することで速度を得ることができる。

 センサは「「もの」の状態や変化」を入力信号として、出力信号を「電気信号」として変換する部品である(図4)。

会社名
NPO法人 サーキットネットワーク
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