2023年11月21日(木)、11月22日(金)の2日間、岡山県岡山市のコンベックス岡山(写真1)において、「実装・組立プロセス技術展」が開催された。
本展示会の開催は、2023年では4回目で同年最後の、そしてトータルでは12回目となる。主に実装工程の中の後工程における専門設備メーカーが集結し、その自動化に貢献する製品を展示・紹介するもので、出展企業は、(株)アイビット、アポロ精工(株)、アルファーデザイン(株)、アントム(株)、(有)イトウプリント、化研テック(株)、KnK(株)、(株)弘輝テック、(株)サヤカ、(株)東京測器研究所、日本プラズマトリート(株)、日置電機(株)、(株)日立技研、マランツエレクトロニクス(株)、(株)マルコム、メイショウ(株)、ユニテンプジャパン(株)、(株)レクザム、(株)ノード・コーポレーション、TM人事労務コンサルティング(株)で、各社がブース展示を行っていた他、「塗布プロセス」の紹介ゾーンが設けられており、日本プラズマトリート(株)、アルファーデザイン(株)、アントム(株)、マランツエレクトロニクス(株)が実機を展示していた。
また、展示に併せて、実装技研の河合一男氏によるセミナー『はんだ付け不良対策と生産効率改善』(写真2)が行われ、「不良を作らない工法」「新しい設計・部品」「生産効率改善等の事例紹介」といった切り口で、工法の変更によるコストの改善、国内回帰の量産現場のコスト改善実績の事例紹介などについて講義を行い、多くの聴講者を集めていた。
以下に、各ブースが展示していた製品・技術の内容をご紹介する。
(株)マルコムのブース(写真3)では、省スペースな小型リフロー装置である静止型リフロー炉『RDT-250EC』を紹介していた。
本製品は、タッチパネルディスプレイと改善された機構部の採用によって、操作性に優れ、 本体操作により自在にプログラムの作成/自動測定が可能で、PCも内蔵。また、ヒータ構成の見直しによって従来比で50%の省電力性能を実現している。MAX350℃の高温リフローに対応し、自動プロファイル機能でプロファイル設定も簡単。時間と共に各ヒータが制御され、鉛フリープロファイル〜高温/長時間など、自在に設定でき、30分割のヒータ制御で優れた温度分布性能を実現する。窒素雰囲気での加熱/冷却(オートクーリング仕様)が可能。基板固定のまま、様々な温度プロファイルを実現し、開発/試作/評価から、セル生産まで対応できる装置である。
(株)アイビットのブースでは、実装基板の裏面キャンセル機能を有する、同社独自の「X線ステレオ方式」を採用した3次元X線検査装置『FX-400tRX』を紹介していた(写真4)。
本製品は、密閉型X線装置でありながら高解像度2μmを達成する装置で、幾何学倍率500倍によって、鮮明なX線画像を取得することができる。従来であれば高価な開放型X線管を用いなければならない試料に対しても同等な画像品質を得られる他、ICワイヤボンディングの接続部、銅ワイヤについても検査可能。プリント基板の内部のスルーホールなども観察できる。BGAの裏面情報をキャンセルしながら、実装基板の上面から下面までを300層のスライス断面画像として取得でき、X線出力110kV、200μAで銅板(3mm)なども透過。3種のCT方式(VCT、ななめCT、ステレオCT)を選択でき、チップカウンタ機能も標準搭載している。
日置電機(株)のブースでは、新型オフラインタイプのインサーキットテスタ『FA1220-02』を紹介していた(写真5)。
タッチパネルPCを採用した製品で、画面切り替え、データの読み出し、検査スタート、マニュアル検査の基本操作を、キーボードやマウスを使わず実施することができる。上下テストフィクスチャを一体化した状態で保管、脱着でき、下側テストフィクスチャは自立できるため、専用の保管は不要となっている。また、ワンタッチコネクタ(オプション)による自動接続も可能で、タッチパネルからの操作だけでワンタッチコネクタの接続作業が完了。マニュアルでレバー操作する負担がなくなり、確実にコネクタの接触を確保することができる。
ユニテンプジャパン(株)のブースでは、ギ酸還元/水素還元両対応の、タッチパネル式卓上型真空はんだリフロー装置を紹介していた(写真6)。
『RSS-210-S』(写真6右)は 通常のリフローに加え、鉛フリー、 ボイドレス、 フラックスレスなどの各リフローが可能な製品で、最大10-3hPaまでの真空(減圧)リフローに対応。ギ酸還元との組み合わせにより、効果的にボイドを除去する。卓上型サイズでありながらも最大到達温度400℃を実現しており(オプション時の最大到達温度:500℃)、最大200×200mm基板に対応。下面からのIR(赤外)ヒータによる加熱によって正確かつ高速な加熱が行え、最高180K/minの高速昇温が可能。タッチパネル式モニタを標準装備しているため、タッチ操作によりオペレーションも簡単に行うことができる。
『VSS-450-300』(写真6左)は、ローダアンローダとの連携でインラインシステムにも組み込み可能で、少量多品種生産にも最適な装置。ボイドレス、かつフラックスレスな、高品質な実装を実現する。有効加熱エリアは300×300×50mmで、最大到達温度は450℃である。
- 会社名
- Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社
- 所在地
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